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お酒が飲まれ続けてきたのにはわけがある。日本酒にまつわる文化を知る本。
今日では芳醇な吟醸酒を少量たしなむのが好まれるが、薄目酒であった江戸の大酒飲みは、酒くらべでなんと3升も4升も飲んだという。お酒にまつわる習慣や文化は、時代によって大きく様変わりしてきた。その日本酒の原点を、神と「まつり」と酒宴にもとめ、民俗学的な視点から、酒と肴の関係や酒宴の移り変わり、飲酒習慣の変化、醸造の話や食文化とのかかわりなどを含蓄豊かに語り、お酒とその周辺の文化をやさしく説く。著訳者プロフィール
目次
御神酒あがらぬ神はなし
御神酒のもとは一夜酒
飯も酒も餅も原料は米
神酒を製造する神社
田出宇賀神社の酒造りと祭り
酒造りもまた神事
二 神と酒と人──酒宴と酒肴の構図
浴衣がけカラオケ大会の不思議
直会と饗宴が連なることでの混乱
神さま仏さまご先祖さまと宴会の席次
古くは酒の肴は米と塩
風流も酒肴のひとつ
出陣の酒、出立ちの酒
宴会席の料理は盛りつけ次第
飲酒の街区、花柳街の形成
江戸っ子の大酒と薄目酒
酒宴習俗の完成は明治期
三 人と酒──醸造と保存の技術
酒造りの工夫と苦労
夏の米づくり、冬の酒造り
米と水、こうじともと
日本酒独特の技法は火入れ
こうじ酒は高湿度文化の華
日本酒暗黒の時代から復権の時代へ
主要参考文献
あとがき
文庫版あとがき