堤中納言物語 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典

堤中納言物語 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典

編者: 坂口 由美子
836円(税込)
発売日2009年12月25日

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  • ISBN コード : 9784043574254
  • サイズ : 文庫判 総ページ数: 274ページ
  • 商品寸法(横/縦/束幅): 105 × 149 × 10.5 mm
  • ※総ページ数、商品寸法は実際と異なる場合があります

意外な結末を持つ、切れ味抜群の物語十編を楽しく味わう。

気味の悪い虫を好む姫君を描く「虫めづる姫君」をはじめ、今ではほとんど残っていない平安末期から鎌倉時代の短編10編を収録した作品集。姫君と間違えて祖母を盗んできてしまった男の失敗談や浮気男が元の妻の許に戻る話などを収める。「滑稽な話」「しみじみした話」「状況が面白い話」「もどかしい話」「微笑ましい話」「あきれる話」と、おもむきを変えながら、人生の一こまを鮮やかに描き、その魅力と味わいを存分に楽しめる。

著訳者プロフィール

●坂口 由美子:東京都生まれ。学習院大学大学院修士課程修了。学習院女子中・高等科教諭。中古文学専攻。角川ソフィア文庫ビギナーズ・クラシックス『万葉集』『伊勢物語』『蜻蛉日記』『枕草子』の執筆を担当。

目次

はじめに──意外や意外の物語──

第一話 花桜折る中将
 美貌の貴公子、桜月夜をそぞろ歩き、昔の女を思い出す
 垣間見の収穫あって
 「好き者」は、演出上手、言い訳上手
 中将、琵琶の腕前を披露、思いがけず、荒れ邸の情報を得る
 いよいよ姫君の略奪決行

第二話 このついで
 春雨そぼ降る日、梅花香の薫りくゆらせて、中宮をお慰めする
 宰相の中将、けなげな女の話を語る

第三話 虫めづる姫君
 毛虫をかわいがる姫君登場
 両親の困惑
 侍女たちの陰口
 姫君の忠実な手下は、男の子たち
 変わり者の姫君に興味を持つ男、恐ろしげな贈り物をする
 続きは二の巻に?

第四話 ほどほどの懸想
 「葵祭」は夏の訪れ、小舎人童の恋
 次は、好き者の若い男の恋
 宮邸の女房たちの反応は?
 頭中将まで、やっと届いた恋の風……しかし

第五話 逢坂越えぬ権中納言
 五月の風に橘が香り、なつかしくも人恋しい夜
 華やかな、「菖蒲の根合せ」の夕べ
 夏の夜の逢瀬
 夏衣は薄くても

第六話 貝合せ
 九月の有明の月に誘われて、蔵人の少将、何かありそうな邸を発見
 忙しそうに駆けてくる女童、事情を明かす
 心細く、幼い姉と弟君
 東の姫君登場
 ついに女の子たちは神頼み、すると何やら声がして……
 姫君の喜びかわいらしくて
 観音様の功徳? 女の子たちは大騒ぎ

第七話 思はぬ方にとまりする少将
 事実は物語より奇なり──昔こんなことがありました
 姉君の嘆き
 姉君の場合
 妹君の場合
 翌朝の後朝の文
 そして、読者がつい、書き込んだことは……

第八話 花々のをんな子
 覗いてみたら、百花繚乱
 「評判記」のはじまり、はじまり
 好き者つい歌を口ずさむ
 もし、好き者が誰か知っている人がいたら、書き付けて下さいな

第九話 はい墨
 二人の女
 元の女はけなげで
 元の女、泣く泣く出て行く
 元の女、家に戻る
 新しい女の所に行ってみると……恐ろしや
 両親も卒倒

第一〇話 よしなしごと
 とんでもない僧たち
 お貸し下さい、あれもこれも
 次は食糧を……名産づくし
 さあ、出発しますよ、手紙は人に見せないで、返事は空に
 所在なくて、つい、つまらないことを

断章
 冬の恋の行く末は

十の変化球と編集の妙──意外や意外の物語──
 十の変化球
 編集の妙
 参考文献
 金字塔の後──一つの時代の終わり──

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