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遠野物語と怪談の時代

著者: 東 雅夫
1,870円(税込)
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発売日2010年08月25日
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  • ISBN コード : 9784047034747
  • サイズ :四六判    総ページ数: 256
  • 商品寸法(横/縦/束幅): 127 × 190 × 16.0 mm
  • ※総ページ数、商品寸法は実際と異なる場合があります

民俗学の金字塔『遠野物語』は、怪談への熱狂から生まれた。

『遠野物語』は怪談への熱狂から生まれた! 怪談スペシャリストの東雅夫が、その誕生と時代の諸相を怪談史の視点から探究。明治後期に文壇を席巻した怪談文芸の潮流をひもとき、怪談実話『遠野物語』に迫る。

〈目次〉
序章 会談実話の見果てぬ夢
    『遠野物語』の隠された顔/会談文学史の視点から/会談実話集としての特質

第一章 「会談の研究をめぐって」
    封印された談話記事/二種類の会談とは?/会談鑑定人・柳田國男/虚々実々の会談実話取材/純の純なる会談としての山男探索/神隠しの実体験/高山平馬をめぐる真相/旅先の按摩が語る物語/掲載誌をめぐる問題/「村の址」と鈴木鼓村
第二章 怪談ルネッサンス
    百物語怪談会の伝統/歌舞伎新報社の百物語「やまと新聞」主催の百物語/井上円了の妖怪学と英国の心霊研究/『妖怪百談』vs『幽霊一百題』/「文藝倶楽部」の怪談実話コラム/「日本妖怪実譚」の内容/岡本綺堂と三宅青軒

第三章 泉鏡花と柳田國男
    鏡花怪談の原点にも百物語が!?/「湯女の魂」と「蝙蝠物語」/「夜叉ケ池」のモデル/実話から創作へ──「海異記」三態/鏡花の怪談会クロニクル/燎原の怪火のごとく/龍士会に集う人々/『怪談会』誕生の背後に『怪談会』と『遠野物語』の関係/「遠野の奇聞」出現/鏡花による『遠野物語』鑑賞/われら、本朝の鬼のために!/鏡花版『遠野物語』の趣も/民俗学サイドから見た「遠野の奇聞」/「怪談百物語」での両雄共演

第四章 「遠野怪談」三人男
    「怪談の会と人」/水野葉舟の怪談観/鏡花先生を夢見て/幽暗怪異な葉舟商品の世界/「長靴」と「念惑」──鏡石怪談の世界/怪談実話小説としての「北国の人」/活写される怪異の語り部/恋と怪異に翻弄される喜善/「女の顔」と「男の顔」/「北国の人」に憤る喜善/三者三様に描かれた浜辺の怪異/お化け好き青年たちの日々/柳田邸の「お化会」/「妖精譚」か「怪談」か?

終章 遠野物語に始まる怪談史
    百年前の怪談文芸シーン/芥川龍之介と『椒図志異』/岡本綺堂と『飛騨の怪談』/田中貢太郎と『怪談』/三島由紀夫と『小説とは何か』
復刻資料
    日本妖怪実譚
主要参考文献
あとがき

著訳者プロフィール

●東 雅夫:1958年、神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学文学部卒。「幻想文学」編集長を経て、怪奇幻想文学のアンソロジスト、評論家となる。現在、怪談専門誌「幽」の編集長をつとめる。