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高校生ラノベ作家が主人公だが、彼の現状はなんか大変なことに―――。
僕は、硬い床に背中をつけて横たわっている。水色で薄手のセーターを纏った彼女の両腕が、僕の首に伸びている。彼女の手は、とてもとても、冷たい。それは、まるで、鎖のマフラーでも巻かれたかのようだ。照明からは逆光になるので少し薄暗い、彼女の顔。彼女は泣いている。見開かれた大きな瞳から、セルフレームの眼鏡のレンズ内側にぽたぽたと涙を落としている。 「どうしてっ!?」。叫び声と共に、さらに強烈な力が僕の首に加わる。まるで痛くはない。そのかわり、頭の中で――、真っ黒な墨が一滴、音もなく落ちた。その黒い染みは、じんわりと広がり始める。 「どうしてっ!?」。彼女が再び叫んだ。どうしてこんなことになったのか――それは僕が知りたい。