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大事なものは見えにくい

カバーデザイン: 芦澤 泰偉
836円(税込)
在庫切れ
発売日2012年11月22日
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  • ISBN コード : 9784044075033
  • サイズ :文庫判    総ページ数: 272
  • 商品寸法(横/縦/束幅): 105 × 149 × 10.5 mm
  • ※総ページ数、商品寸法は実際と異なる場合があります

確かなことはわからない。「答え」のない「問い」と向き合う哲学エッセイ。

ひとは他者とのインターディペンデンス(相互依存)でなりたっている。「わたし」の生も死も、在ることの理由も、そのつながりのなかにある。核家族化で社会に包摂される「家族」、コミュニケーションの非在と「わたしたち」の居場所。確かなことは何もわからない、価値の遠近法が崩れた現代社会のなかで、日常の隙間に生じる違和感を育て、答えの見えない「問い」と向き合いつづける。

著訳者プロフィール

●鷲田 清一:1949年、京都生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。大阪大学大学院文学研究科教授、文学部長、同大学副学長、総長をへて、大谷大学文学部教授。哲学者。著書に、『夢のもつれ』『死なないでいる理由』角川ソフィア文庫、『「待つ」ということ』角川選書、『噛みきれない想い』、『「聴く」ことの力』(桑原武夫学芸賞)、『モードの迷宮』(サントリー学芸賞)、『「ぐずぐず」の理由』(読売文学賞)など多数。

目次

1 問い
人生の「課題」
納得
〈わたし〉にできること、できないこと
あえて遠い居ずまいで
プライドということ
身を養うということ
だれもじっとしているわけではない
「忘れ」の不思議
死の経験

2 行ない
「何やってんのやら」──裏版・リーダー考
「遺憾」だけはいかん!
「自由」のはきちがえ
プロにまかせる?
「監査」という仕事
デザインの思想
ブランド考
カタチから入る
ことばの故郷
要約
英語はグローバル?
野次馬と職業人
「とことん」に感染する若者たち
お笑いタレントの「罪」

3 間合い
受け身でいるということ
届く言葉、届かない言葉
語りの力
言葉の幸不幸
「くやしかあ」
聴きにくい言葉
あえて聴かないこと
リスニング
インタビューの練習
イメージと妄想
対話ワークショップ
たしかな言論はどこに?

4 違い
ひとを理解するということ
ひとを選ぶということ
待たれる身
隣のひげについ触れる距離
あの人が突然いなくなった
恋はせつない、やるせない?
脇役

5 養い
獣医さんという存在
むかしの歯医者さん、いまの歯科医
「おいしい?」ではなく「おいしいね」
偶然を使う
「患者様」
「専門性」の罠
悲しい眼
水筒
うなぎ

6 囲い
転移──「いじめ」の論じ方をめぐって
密室化が「いじめ」を生む
学校的なもの
逆立ちの「体験学習」
いきなり本番
「無理」ということ
学びと挫け
「バイバイ」
おごり、おごられて
内向きな光景

7 佇まい
「不通」の社会
柔らかなスローガン
「顔」が変わった?
社会に隙間のあった時代
意味はなくとも
高貴なまでのしどけなさ
ざわめきのなかの気品
タクシー三都物語

8 迷い
夢占い
ひとは悩んで大きくなる?
減らすのはむずかしい
スローライフにお忙しい?
足らざるに足るを見る
健康についてのヘンな話
身体の「正しさ」について
跨がれる時間
ラスト・ダダ
夕暮れはまだ遠い
1 いまだ思い知ることなく
2 弱気なのか意地なのか
3 洗い場のスポンジのように
4 成熟からはほど遠く

初出一覧
あとがき
文庫版あとがき