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神隠しにあった人々はどこへ行ったのか
日本の先住民の末裔で、山姥や天狗のような姿をもつと考えられた「山人」。彼らは一体何者なのか――。柳田が記した膨大な「山人論」の成立・展開・消滅の過程がわかるよう、その著者くや論文を編者独自に再構成。「山人論」の変容と柳田の学問や文学の核心に迫る。著訳者プロフィール
●大塚 英志:1958年生まれ。筑波大学人文学類卒業。民俗学専攻。まんが原作者、評論家、編集者など多岐にわたり活躍。現在、国際日本文化研究センター客員教授。著書に『戦後まんがの表現空間』(第16回サントリー学芸賞)、『「捨て子」たちの民俗学』(第5回角川財団学芸賞)ほか多数。
目次
解題
序 孤児の感傷──原初の山人論
解題
古戦場
新体詩二編
幽冥談
萩坪翁追懐
第一章 「天狗」から先住民へ──山人論の成立
解題
天狗の話
九州南部地方の民風
山民の生活*上下
山民の生活(第二回大会席上にて)
怪談の研究
山人の研究
第二章 山人論の変奏と展開
解題
石神問答(概要)
「イタカ」及び「サンカ」*一〜三
鬼の子孫
山人考
山人外伝資料*一〜五
第三章 山人と狼に育てられた子供──柳田・南方山人論争
解題
柳田・南方往復書簡(抄)
第四章 アサヒグラフ版「山の人生」
解題
故郷七十年より(「山の人生」)
アサヒグラフ版「山の人生」
第五章 隘勇線の彼方──越境する柳田国男
解題
明治三十九年樺太紀行
アリユウシヤ 田山花袋
南遊詠草
山の巡査達 田山花袋
終章 「山」の消滅
解題
山の季節来る
あとがき 大塚英志
五色の歌よみけり中に黒を
松岡国男