地下水系たどりてふつと湧き出づる水が踊れり分水嶺に

六十代の半ばを境に自身と家族に生じたいくつかの峠。乗り越える過程で、改めて歌うべきことを実感した著者が、歌に込めた思いとは――。渾身の第七歌集。

●伊勢　方信：1942年、大分県東国東郡来浦町（現国東市）生まれ。1962年、「朱竹」に入会し淺利良道に師事（現在代表）、大分県歌人クラブ入会（現在会長）。1986年、第22回大分県芸術祭功労賞。
「笛の会」会員、日本歌人クラブ九州ブロック長、日本現代詩歌文学館振興会評議員、現代歌人集会会員、現代歌人協会会員、日本ペンクラブ会員、大分合同新聞短歌選者。