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魔女とほうきと黒い猫

616円(税込)
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発売日2014年02月25日
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  • ISBN コード : 9784044094546
  • サイズ :文庫判    総ページ数: 224
  • 商品寸法(横/縦/束幅): 105 × 149 × 9.0 mm
  • ※総ページ数、商品寸法は実際と異なる場合があります

映画「魔女の宅急便」がもっと深く楽しめる!

黒猫をお供に、ほうきにまたがって空を飛ぶ――わたしたちが共通して持つ魔女のイメージはいつできあがったのか。そもそも人々が思い描いていた魔女とはどんな姿だったのか。ヨーロッパにおける古代の女神崇拝やグリム、メルヘンなどの伝承からその実像を掘り起こし、中世のキリスト教文化の中で弾圧の対象となってしまった過程をたどる。人々の暮らしや心情を映し、変容し続けてきた「身近な存在」を読み解く、新しい魔女論!

著訳者プロフィール

●菊地 章太 :1959年横浜市生まれ。東洋大学教授。専門は比較宗教史。筑波大学美術専門学群卒業、同大大学院芸術学研究科美術史専攻修了。その後フランスのトゥールーズ神学大学高等研究院に留学。近年、東洋大学にて井上圓了の「妖怪学」を復活させた。同講義は抽選が行われるほどの人気。著書に『妖怪学の祖 井上圓了』『妖怪たちのラビリンス 西洋妖怪紀行』ほか多数。

目次

プロローグ──十三歳でひとり立ち

第1章 魔女はメルヘンから
 (1)よい魔女か、悪い魔女か
まずはよい話から
心配しないで
水浴びをする乙女
朝ねぼうの娘がいたら
亡霊どもの行列に
女神もいつしか魔女
二極分化する童話の世界
ひどく年とったおばあさん
こわい魔女きわめつけ
恋人をもどらせる薬
魔女よりもっと残酷な
 (2)ヨーロッパ中魔女だらけ
ロシアの魔女は狂暴だった
ほうきであとを消しながら
やっぱり家事が得意
バーバのおかげで
死神のなれのはて
日々の仕事につながっている
生活を象徴するほうき
魔女もすっかり西欧風
牛乳どろぼうの正体は?

第2章 妖精から魔女へ
 (1)森にひそむ妖精たち
ヨーロッパをおおう森
木々のあいだにひそむもの
「私たちは影なのです」
アカデミー詩人の童話集
オオカミに食べられたまま
眠れる森の物語から
バリエーションがひろがる
すぐにキレる妖精たち
小犬もかまどの火も
さらなるロマンス
妖精はやはり魔女か
おしまいにお説教
 (2)おばあさんが魔法使いに
ウェヌスの住む山へ
詩人のルサンチマン
夜の墓場で踊る娘たち
悲恋のゆくえ
死後も楽しませて
夢の世界の妖精とともに
魔女のイメージどおり
孫娘まで魔女のよう
川のほとりに住む老婆
鬼火がついてくる
この火は熱くない
まじないの治療か
魔法でなんでもできる

第3章 ほうきと黒猫の受難
 (1)魔女狩りの時代
「彼女の家」へむかう人々
時代に逆行する魔女像
夜中に空をひとっ飛び
異端にほかならない
それは迫害の理由づけか
理性の時代のできごとだった
魔女裁判マニュアル
暖炉の悪魔がささやく
へりくだる心はどこへ
なんという甘美な復讐
誰もがあの女だった
人知れず裁かれていく社会
 (2)ほうきの民俗学、黒猫の神話学
ヴァルプルギスの夜に
ほうきを跳びこえる
穂先も欠くべからず
エクスタシーのはてに
フクロウにも猫にも変身
牡山羊はなにより色好み
ときどき猫に、ときどき女に
夜の魔女がやすらう
アダムは女性の敵だ
悪魔の方がフェミニスト
「罪は女からはじまった」
フェミニズムのシンボルへ
猫がひく車に乗って
女神も魔女とともに
猫の大量虐殺事件
拷問も火あぶりもそっくり
黒猫まじないのききめ

エピローグ──魔女はふつうの女の子?

あとがき──あちら側の世界から

引用文献