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静御前や祇王に代表される「白拍子」の実像とは?
舞が堪能な巫女、後白河法皇を魅了した傀儡女、静御前や祇王に代表される白拍子――芸能の時代といわれる中世は、多くの女性芸能者たちが活躍していた。仏教が支配階級の男性を中心とする一方、庶民とともに社会の底辺に生きた彼女たちが、果たしてきた役割とはなにか。貴重な史料、説話、能などを手がかりに、封建社会の発達につれ歴史の表舞台から姿を消していった女性芸能者たちの実像を追い、豊かな芸能の世界を掘り起こす。著訳者プロフィール
目次
第一章 巫女──神への舞
一 打臥の巫女
二 『梁塵秘抄』に謡われた巫女
三 熊野の巫女
四 熊野比丘尼
五 貴船の巫女
六 祇園社の巫女
七 物憑巫女
八 湯立ての巫女
九 歩き巫女
十 町々村々の巫女座
第二章 傀儡女
一 『更級日記』の足柄山の遊女の歌
二 美濃青墓の傀儡女たち
三 大曲足柄
四 『傀儡子記』の傀儡子
五 宇津谷峠の傀儡女
六 神祭りの傀儡
七 桂女
第三章 遊女
一 『遊女記』の遊女
二 江口・神崎の遊女
三 「往生伝」の遊女
四 勅撰集に入った遊女たち
五 江口君妙と西行
六 親王・内親王・貴人の母たち
七 能楽「班女」から狂言「花子」「隅田川」へ
第四章 白拍子女
一 静御前と祇王・祇女
二 美濃青墓の白拍子売買状
三 白拍子と乱拍子
四 男装の白拍子舞女
五 伊賀局亀菊
六 歩き白拍子
第五章 曲舞女
一 百万山姥の曲舞
二 曲舞の名手百万
三 百万の芸態
四 曲舞座の人々
五 その後の曲舞
第六章 瞽女と女芸人たち
一 『曾我物語』を語る瞽女
二 鳥追女・鳥追風俗
三 女猿楽
終わりにかえて──出雲の阿国の登場
あとがき
主要参考文献