娼婦たちから見た戦場 イラク、ネパール、タイ、中国、韓国

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娼婦たちから見た戦場 イラク、ネパール、タイ、中国、韓国

1,870円(税込)
発売日2016年07月30日
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  • ISBN コード : 9784041032251
  • サイズ : 四六判 総ページ数: 364ページ
  • 商品寸法(横/縦/束幅): 128 × 188 × 20.0 mm
  • ※総ページ数、商品寸法は実際と異なる場合があります

世界の姿は、最古の職業・ 娼婦たちが知っている。現場ルポの決定版!!

世界の姿は、最古の職業・ 娼婦たちが知っている。

<本書に登場する娼婦たち>

●イラク戦争下で生きるパンパンガール
●イラク宮廷にいたロマ・ガジャル
●デウキ。寺に捧げられ娼婦となったネパールの女たち
●インドの売春窟に売られる少女
●ヒジュラ。第3の性の娼婦(夫)たち
●売春カースト・バディ村の少女
●タイ、クーデター下で働く農村出身の娼婦たち
●中国の戸籍なき女、黒孩子 
●洋公主、韓国の米兵相手の娼婦

 戦争、圧政、貧困。その現場には常に娼婦たちがいた。
 国が体裁を整えるとき、はじめに手をつけられるのは、常民ではない人々であることは世の常である。常に緊張を強いられる、極限状況で暮らす娼婦たちの眼から、世界はどのように見えているのか。
 国家、軍隊、階級、習俗、貧困。人を縛るものが溢れる世で生き続ける女たち。
 米軍あるところ、常に娼婦あり。
 戦場の片隅に暮らしていた女たちが、戦場とは遠い異国にあるのではなく、常に暮らしている社会の中にあるものだと、私たちに気づかせてくれる。
日本も70年前は戦争状態にあった。そして、戦場は形を変えて日本にも既に入り込んでいるのだ。

 15年以上に及ぶ紛争地取材が生んだ、現場ルポの決定版!!

著訳者プロフィール

●八木澤 高明:1972年神奈川県横浜市生まれ。写真週刊誌フライデー専属カメラマンを経て、2004年よりフリーランス。01年から12年まで取材した「マオキッズ 毛沢東のこどもたちを巡る旅」が第19回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。本書の姉妹編『娼婦たちから見た日本 黄金町、渡鹿野島、沖縄、秋葉原、タイ、チリ』(角川文庫)は、10年以上にわたり、日本各地の夜の街と女たちを取材してきた著者が、現時点の集大成としてまとめあげた一作である。他書に『黄金町マリア』、『青線』がある。

目次

まえがき――戦争、圧政、貧困。そこにも娼婦たちはいた
→米軍によって変貌した売春の形。基地、戦争、圧政、貧困。極限状況にある社会において、共通していたもの。それは、世界最古の職業とされる娼婦たちの存在だった。彼女たちから、世界を見る。

第一景 娼婦は戦地を生きる――イラク
→イラク戦争でバグダッドが陥落し、そしてテロが渦巻いたイラク。米軍相手の娼婦から、フセイン政権下では宮廷にいたロマ・ガジャルに、身体を売る将来が待つ貧困地区の少女たちまで。

第二景 娼婦は内戦を泳ぐ――ネパール
→マオイストを取材し続けた著者だから見えた、農村の光景。クマリという処女神信仰がある一方、寺に捧げられ、共同体の娼婦となる少女もいるネパール。そして、売春カースト・バディも存在する国。第三の性のヒジュラも含め、内戦と習俗の風圧のもとでもたくしまく生きる娼婦たちを追った。

第三景 娼婦は死を賭す――タイ
→タクシン政権の復帰を望んだ大規模デモ。参加者の大多数は、貧しいイサーン地方の農民だった。エイズにかかりながらも、故郷のために身体を売り続ける娼婦たち。デモの裏には、切実な現実が常にある。

第四景 娼婦は王朝に反乱する――中国
→売血によってエイズ村となった農村。未だ、纏足の老女が住まう農村。そして、都市で身体を売る戸籍なき少女・黒孩子。共産党王朝のもとで、従属的な扱いを受け続ける女たち。しかし、王朝に反乱するのも、娼婦たちなのだ。

第五景 娼婦は米軍基地に寄り添う――韓国
→日本と韓国の売春は、アメリカとは切ってもきれない。米軍基地あるところ、娼婦あり。韓国では、洋公主と呼ばれる、米軍兵士と結婚した女たち。基地と売春を追う。

あとがき――戦場は異国ではなく、足下にある
→マイナンバー制度によって、より地下化する売春。かつて見たアメリカに住む日本人娼婦も、地下化した売春であった。社会制度、そして色街も消えてアメリカ化していく中、戦場も異国から足下に移ったのではないか。

主要参考文献
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