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病死? 事故死? 人柱? ──骨には人生が刻まれている
大都会のビル群の下、眠りつづける無数の骨。考古学者によって掘り起こされた「古人骨」は、かつてこの町に暮らした近世人の姿をいきいきと物語る。町人か侍か。病死か、事故死か、はたまた人柱か。銭や爪、入れ歯など副葬品の意味とは――? けがや流行り病、食事や性生活、衛生状態や老後の暮らしまで、文献に残らない歴史を、科学の力で解き明かす。人骨をみると「わくわくする」という著者が手まねきする、都市古病理学への招待。*単行本『八百八町に骨が舞う 人骨から解く病気と社会』に加筆、改題し、文庫化したものです。
著訳者プロフィール
目次
第一章 古人骨からみた江戸八百八町
人骨と江戸の町
墓と副葬品
第二章 骨と墓から何がわかるか
将軍の遺体と墓
墓からわかる江戸人の病気
何を食べていたのか
骨病変から考察する
第三章 地方の暮らし
武家の人たち
農村の人たち
江戸時代の日記から
異端とされた人々
第四章 一七、一八世紀の英国とロンドン
遺跡とペスト
遺跡は語る
一八世紀ロンドンの暮らし
地方の生活
第五章 近世都市・江戸
巨大都市、江戸
過密とクリーン
都市病理学の可能性
おわりに──墓のなくなる社会