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妖怪狸と孤独な少女。二人のほほえましい関係にほのぼの、ほろり。
かつて八百八狸を統べながら、現在は四国・久万山に封じられた大妖怪・隠神千狸。たった独りで三百年を生きる彼はある時、あやかしが見える体質のせいで気味悪がられ、孤独に暮らす少女・三春と出会う。山から出られぬ自分にとって、丁度良い暇つぶしだ。
そんな軽い気持ちで三春をかまい始めた千狸だが、過ぎ往く四季を幾度も巡り、共に笑い共に遊び、時には喧嘩して振り回されるうちに、いつしか“隣に誰かがいてくれる”日々が当たり前のものになっていき――。
これは孤独を厭わぬ妖怪狸と孤独を嫌う少女、二人の孤独が雪解けていく物語。
著訳者プロフィール