皇統と武家の政権争いに翻弄された群像の悲哀。南北朝の軍記物語への招待。

『平家物語』と並ぶ軍記物語の傑作。後醍醐天皇の即位から、討幕計画、鎌倉幕府の滅亡、天皇親政による建武中興と崩壊、足利幕府の成立と朝廷の南北分裂、足利家の内紛を経て、細川頼之管領就任までの、約50年間にわたる史上かつてない動乱の時代を描く。強烈な個性の後醍醐天皇をはじめ、大義名分のもとに翻弄される新田・足利・楠木など、多くの人たちの壮絶な人間群像と南北朝という時代をダイジェストで紹介。

●武田　友宏：１９４３年青森県生まれ。國學院大學大学院文学研究科博士課程修了。元國學院大學文学部日本文学科講師・元神奈川県立高等学校教諭。日本文学専攻。編著に『有職故実日本の古典』等、角川書店の国語・古語辞典の編纂に携わる。ビギナーズ・クラシックスの企画者兼執筆者。

はじめに

『太平記』本文

解説
　『太平記』──作品紹介

付録
　『太平記』探求情報
　転向・降伏した主な武将
　二大派閥の呼称・類例
　『太平記』略年表
　『太平記』関係系図　皇室略系図
　『太平記』関係系図　清和源氏略系図
　『太平記』関係系図　桓武平氏略系図
　旧国名・県名対照一覧