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芭蕉のこころをよむ 「おくのほそ道」入門

著者: 尾形 仂
880円(税込)
在庫切れ
発売日2014年10月25日
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  • ISBN コード : 9784044065133
  • サイズ :文庫判    総ページ数: 256
  • 商品寸法(横/縦/束幅): 105 × 149 × 10.0 mm
  • ※総ページ数、商品寸法は実際と異なる場合があります

苦難の旅から“軽み”の世界へ!

「おくのほそ道」完成までの数年間に芭蕉は何を追い求めたのか。その創作の秘密を解き明かし、俳諧ひと筋に生きた芭蕉の足跡と作句の精神を具体的かつ多角的に追究する。『「おくのほそ道」を語る』を改題。

著訳者プロフィール

●尾形 仂:1920年生まれ。東京教育大学・成城大教授などを歴任。生涯を俳諧研究に捧げた。著書は『座の文学』『「おくのほそ道」を語る』『野ざらし紀行評釈』『おくのほそ道評釈』『蕪村全集』など多数。『江戸時代語辞典』で毎日出版文化賞を受賞。2009年逝去。

目次

第一章 「おくのほそ道」を語る
一、テーマと構成
『おくのほそ道』の執筆時期
執筆の動機
二つの大きな課題
旅の実践の中から得たもの
宿業の旅
〈旅立ち〉
「行く春」と「行く秋」の照応
芭蕉との出会い
精神の旅人
二、歌枕・俳枕
虚構の時間
目当ての土地──歌枕
〈室の八島〉
〈黒髪山〉
〈那須野〉
〈遊行柳〉
〈白河の関〉
〈須賀川〉
〈最上川〉
〈象潟〉
俳枕──〈立石寺〉
〈越後路〉
〈種の浜〉
三、歴史への旅
歴史の厚みを透視する──〈日光〉〈文字摺石〉
生きている歴史──〈尾花沢〉
敗者の歴史──藤原実方
敗者の幻──源義経
和泉三郎──〈平泉〉への伏線
木曾義仲と斎藤実盛
悲劇の歴史の頂点──〈平泉〉
平泉への前奏──〈壺の碑〉
平泉の余韻──〈出羽三山〉
四、「軽み」への歩み
きびしい旅路と前途への決意
旅のおぼつかなさ──〈石の巻〉
転換点──〈尿前の関〉
人びととの交歓──〈大石田〉
人びとの暖かいもてなし──〈出羽三山〉〈酒田〉
出会いと別れ
軽々とした趣──〈敦賀〉
「軽み」の境地
山中三吟
言ひおほせて何かある
苦難の旅から軽みの世界へ
五、人間への愛情
俗に帰るべし
人間への関心──旅での出会いの喜び
芭蕉の心を引きつけた人びと──可伸・加右衛門
福井の等栽への共感
旅の効果
女性への愛情──〈那須野〉
〈市振〉
一つの想像
人間連帯の中で──〈松島〉

第二章 野坡本『おくのほそ道』を語る
一、野坡本『おくのほそ道』の出現
野坡本と諸本
芭蕉自筆本の証明
二、野坡本出現の意義
草稿本としての意義
西村本本文の補正
段落や読みの問題
手鑑となる野坡本
三、野坡本に見る芭蕉の推敲意識
野坡本は清書稿
代表的な訂正例
四、笠島・遊行柳・雄島が磯
〈笠島〉の章の改稿
〈遊行柳〉の章の改稿
〈松島〉の章の改稿

第三章 芭蕉を語る
一、この一筋
奥の細道三百年
芭蕉の履歴書
数寄のうながし
乞食の翁
二、百代の過客
漂泊の人生
旅人とわが名呼ばれん
旅の効用
不易流行
三、五十年の頑夫
栖居の弁
ほととぎす声横たふや
閉関
回心の一章
四、枯野の夢
年の名残
終の旅
病床の日々
風雅の妄執

 あとがき
 収録句索引