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カドスト

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数寄語り

発売日
2016年02月26日
在庫なし
5,280
在庫がありません
ISBNコード
9784046533166
商品形態
一般書
サイズ
A5判
商品寸法(横/縦/束幅)
148 × 210 × 29.0 mm
総ページ数
288ページ
稽古茶道に飽き足らない、茶の湯好き必見!本当の数寄とは何かが明らかに。
数寄を追う者、つまりディレッタントは広汎な知的探究を通じて専門をいくつも乗り越えるが、学問共同体の一員ではない。著者が還暦から東大文学部の大学院研究生として過ごした二年間は、大学の追及する学問的専門性と、著者の関心である間口の広いアマチュア性との齟齬が、教授陣を困惑させたという。しかし茶の湯領域「宋・元と平安から元禄」と煎茶領域「明・清と享保以降」を統合することで、相互補完的に一千年の日中それぞれの文化が網羅できる。抹茶と煎茶の数寄を同時にすることで、豊かな世界が広がる、という著者の試みは注目に値する。明の文徴明や祝允明の書と薄茶で絵高麗を取り合わせてみたり、江月の書に古染付茗碗で煎茶を飲むなどの試みは、茶に新風を呼び込める可能性もある。著者所蔵の美術館級名物道具で構成する茶事を通じて現代の数寄を浮かび上がらせる。臨場感あふれる茶事の客は、林屋晴三氏を筆頭に、藤田一照氏、佃一輝氏、樂吉左右衛門氏、池田巌氏、千宗屋氏、樂篤人氏という豪華な面々。オール新撮影。

目次

目次

序文 数寄者

風流
Beautiful foolishness
モノは語る
宗匠と演出
時間の句読点
この本について


第一章 数寄と茶道

日本独特の様式
明治維新と数寄
古典教養
富裕層の凋落と茶の大衆化
普及から衰退
数寄と茶道の違い
茶の湯の形式性
数寄者


第二章 何故茶の湯か

十月の葉山茅山荘にて
第一話 侘び茶の始まり
第二話 この瞬間への覚醒
第三話 時代の終焉
第四話 茶の湯の魅力
第五話 濃茶、薄茶


第三章 煎茶の数寄

永田町佳風亭一服一煎
和の中の漢
知の継承方法と型不在の煎茶
美のモノサシ
文人の空間
茶事の趣向
第一話 茶の湯と煎茶の分水嶺
第二話 団琢磨の時代の茶
第三話 淡白と濃厚
第四話 物を見る目
第五話 文学者と文人感覚
第六話 煎抹対立と煎茶衰退
第七話 煎茶道具
第八話 大官と洞庭湖
第九話 呉派文人の世界
第十話 再び煎茶道具
第十一話 文人趣味と煎茶道
第十二話 煎抹自由自在
第十三話 民藝の美意識
第十四話 福建メイド
第十五話 石濤で薄茶


第四章 茶風と新奇性

箱根木賀にて利休、織部、遠州を取合せる
第一話 箱根から熊野
第二話 高野切で懐石
第三話 古田高麗で濃茶
第四話 南宋画で薄茶
モダンとポストモダン


第五章 本阿弥光悦

黄金郷南禅寺
ラリー・エリソンの桃源郷
ささやかな新黄金郷
七月の茶事
第一話 茶の空間
第二話 乙御前
第三話 数寄と創作
第四話 これからの茶の湯
第五話 楽茶碗