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軽やかに余命を生きる

1,540円(税込)
在庫切れ
発売日2016年06月02日
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  • ISBN コード : 9784041041437
  • サイズ :四六判    総ページ数: 208
  • 商品寸法(横/縦/束幅): 128 × 188 × 15.0 mm
  • ※総ページ数、商品寸法は実際と異なる場合があります

いのちの限りが見えても、心穏やかに自分らしく生きるための処方箋

逃れられない死に、人はどう向き合えばいいのか――。
進行がんにかかりながらもその現実を受け止め、
軽やかに淡々と生きる著者は、
自己の執着から離れ、いのちより大切な
自分だけの価値を見つけていました。
生と死に向き合うヒントを伝えます。


だれもが死に対して、自分の存在が消えるという恐れを抱きます。
万国共通のこの「いのちの苦」に対して、
外国では「いのちのケア」の専門家が医療の現場で患者さんをケアしていますが、
一方で、日本は医療技術は世界の最先端ながらも
「いのちのケア」の部分がすっぽり抜け落ちています。

医師として僧侶として、患者さんの「いのちの苦」に向き合ってきた著者は、
30年以上にわたって「いのちのケア」の専門家の必要性を訴えてきました。

その著者が、2016年10月に進行がんにかかっていることがわかりました。
判明した時点で、すでにステージ4bというがんのなかでももっとも進んだ段階、
6か月生きていられる確率は50パーセントという状況でした。

にもかかわらず、その後も変わらない日々を送り、招待された講演会も快く応じられています。
本書の制作を始めた当初は、自ら「完成した本は見られないですね」と言っていたのですが
治療法が功を奏し、完成まで校正もていねいにしてくださいました。

数百人の患者さんを看取り、つねに生と死について考えてきた著者ならではの
深い洞察をやさしくまとめました。

付録として、「いのちのケア」の専門家である「臨床仏教師」を養成している
神仁さんとの対談や、
著者が「いのちのケアの経典」と位置付ける般若心経の解釈なども掲載。
生と死を考えるヒントになる一冊です。

著訳者プロフィール

●田中 雅博:1946年生まれ。東京慈恵会医科大学卒業。1947年国立がんセンターに入職し、同センター研究所内分泌治療研究室長(病院内科医師併任)などをつとめる。1983年、実父が急逝し、実家の西明寺を継ぐために同センターを退職。大正大学で仏教を学び住職につく。その後、僧職をつとめるとともに、西明寺境内やその近隣に、医療施設や老人介護施設を開設し、地域医療や地域福祉にも力を入れている。また「臨床宗教師」「臨床仏教師」の必要性を30年以上にわたって訴え、国内外で多くの講演を行っている。

目次

第一章 膵臓がんステージ4bを私はこうして生きている

医者の不養生で……
「よくそんなに淡々としていられますね」
最善の治療を選択する
生まれて初めての手術
転移がわかってもいつもの生活
思いがけない誕生会

第二章 「いのちの苦」に直面した人が置き去りにされている

寺の息子、医者になる
新薬はまず自らに注射―尊敬する師との出会い
「私、死ぬんですか?」患者さんの叫び
魂の叫びに向き合う人がいない
三億円の借金をしてできた寺の診療所
先駆的な「いのちのケア」の試み
日本の緩和ケアにぬけおちているもの
痛みのケアも不充分
誤解されがちな「スピリチュアル」という言葉
バチカンの国際会議で知った日本の遅れ
寺に医療を
「いのちのケア」は絶望を希望に変える
生と死がつながっていたら、死はもっと豊かになる
「いのちの苦」は科学では癒せない

第三章 「いのちの苦」にどう向き合うか

お釈迦さまが目指した「いのちのケア」
治療や看病は僧侶が行っていた
生きている人のための仏教がなぜ「葬式仏教」になったのか
暮らしから切り離された仏教
仏教はあらゆる生き方を尊重する思想
宗教は「安心」をもたらしてくれるもの
「いのちより価値のあるもの」を見極めていた二十歳の患者さん
「自分の宗教」を見つければ、いまを生きられる
似た立場の人と語り合ってみる
いのちを削ってでも、人の役に立ちたい
過去の賢人に学んでみる
『般若心経』はもっとも読まれてきた「いのちのケア」の経典

第四章 覚悟が希望を連れてくる

民間療法にだまされてはいけない、その理由
「自然由来の漢方なら安全」は大間違い
「ワクチンで治せる」にだまされた乳がんの患者さん
効果的な治療法も変化していく
インチキに引っかからないために
藁にすがりたいときこそ冷静さを
生あるものは必ず滅す
覚悟が据わると楽になる
死への心の備えは元気なうちから

第五章 穏やかに、希望をもって今日を生きる

お釈迦さまも膵臓がんだった?
がんには覚悟を固める時間の猶予がある
人間が願っていいこと
「終活」には僧侶の協力を
身近で客観的な第三者が必要
救命なのか、虐待なのか
私が残された時間で成し遂げたかったこと
がんというチャンスを生かしたい   
メディカルカフェ at 西明寺―「がん患者語らいの集い」を再び
心の働きを整えるために
終の棲家は西とこそ聞け