からくり仕掛けのアイデアで、楽しい「工作ミステリー」！

歯車がかみあえば動きだし、仕掛けの糸がつながると、大きく動き出す。謎と謎がからみあって、『からくり探偵団』が下町の事件を解決する！
小学5年の民芸品屋の息子、真坂タクミとその幼なじみで天ぷらや息子島田草介は浅草「花やしき」の屋上でコイン式望遠鏡をのぞいていたら、マンションの窓から女の子が落ちそうになっているのを見つける。あわてて、その場に行ってみたら、少女・風花から“人形の手”をくわえてマンションの窓から逃げだした猫をいっしょに探してくれと頼まれる。人形は風花のお父さんの形見で、からくり仕掛けで動く「茶運び人形」だという。猫を探すうちに、タクミたちは、あるおばあさんの土地をねらう不動産サギの計画を知る。――仕掛け箱、女流手妻師の過去、茶運び人形の元の持ち主、有名美術館鑑定士。からくり仕掛けで、悪徳業者を追い払え。タクミたちが作ったからくり工作も図面入りで紹介。

●藤江　じゅん：2002年「五本目のろうそく」で第２回グリム童話賞優秀賞受賞、04年「冬の龍」で第10回児童文学ファンタジー大賞奨励賞を受賞（06年、福音館書店より刊行）、07年同作で第17回椋鳩十児童文学賞を受賞。主な作品に「サッカク探偵団」シリーズ、『時計塔のある町』（KADOKAWA）、『タイムチケット』（福音館書店）、『オバケたんてい』（あかね書房）など。ファンタジーとミステリの要素を含む作風に定評がある。
●三木　謙次：イラストレーター。ほっこりユーモラスなイラストの定評がある。主な作品に「僕僕先生」シリーズ、宮部みゆき「きたきた捕物帖」、「つくもがみ貸します」などの文芸スから児童書まで幅広く活躍中。

もくじ

１　少女と猫と白い手と　　　　　　　　7
２　からくり小箱　　　　　　　　　　　19
３　占い師と猫　　　　　　　　　　　　50
４　おじいちゃんの作業場　　　　　　　70
５　廃屋の中には……　　　　　　　　　84
６　茶運び人形　　　　　　　　　　　　116
７　からくりじかけのおばけ屋敷　　　　131
８　からくり探偵団　　　　　　　　　　157
羽ばたくチョウのカンタン工作　　　　　188
一瞬で変わる絵　　　　　　　　　　　　190