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極限の慈悲か、反仏教の倫理か。〈身体を犠牲にする他者救済〉=捨身に迫る
極限の慈悲か? 反仏教の倫理か?明恵や近松門左衛門、宮澤賢治、和辻哲郎らを魅了した
捨身=〈身体を犠牲にする他者救済〉の物語。
日本における受容から、仏教と文学に新たな光をあてる。
「挑戦的な爪を隠した野心作」 宗教学者 山折哲雄氏 推薦
──虎に生きたままみずからの身体を与えたり(「捨身飼虎」)、鳩の身代わりになって血にまみれながらみずからの肉を割いたりするふるまいは(「シビ王」)、どうみても苦行の極限であり、こんな血なまぐさいお話は、そもそも仏教の教えと正反対のものなのではないか? どうしてこのような物語が「菩薩」のおこないを語る文学として成立したのか? そしてこうしたお話は、日本の文学や文化に受け入れられたのだろうか? どのような形で? (「はじめに」より)
著訳者プロフィール
目次
第一章 身を割く王
第二章 血の色
第三章 明恵伝記資料における捨身と菩薩本生譚
第四章 宮澤賢治と菩薩本生譚
第五章 和辻哲郎における本生譚(ジャータカ)
終章