序 章 帝国軍人との出会い 『歴史と人物』/海軍史料調査会/最初の仕事は高松宮への挨拶だった/海軍は吉川英治に大東亜戦史を書かせようとした/一般の人は滅多に来ない場所 etc.
第一章 作戦系と情報系――陸軍編1 陸軍は一枚岩ではない/軍事官僚が行った証言のメイキング/林三郎は作戦課に恨み 骨髄だった/日本最大の欠点は敗戦の経験がなかったこと/諜報合戦の経験者、浅井勇/情報とは「砂の中から砂金を拾うようなこと」/インパール作戦従軍者で行った座談会/「瀬島龍三の言うことは、俺は信用しない」/なぜ山本五十六にカリスマ性が生じたか etc.
第二章 陸軍はヤマタノオロチ――陸軍編2 戦争の評価と軍人の評価/藤村義一の「誇張」、坂井三郎の「加筆」、朝枝繁春の「ほら」/暴露し合う陸軍、悪意なく隠す海軍/戦前と接続性があるのは陸自ではなく海自 etc.
第三章 連合艦隊と軍令部――海軍編1 海軍反省会のはじまり/大井篤が漏らした「連合艦隊との戦いは終わった」/「平時の海軍を二〇年経験しないと、まともな海軍士官はできない」/陸海軍は別々の戦史をつくった/出師準備は開戦準備を意味した/錯綜する縁戚関係/ミッドウェイでは捕虜を茹で殺していた/ドイツは真珠湾攻撃にショックを受けた/スイス終戦工作の失敗は功名心にあった/砲術の大専門家が真珠湾攻撃をマズイと思った理由 etc.
第四章 海軍は双頭の蛇――海軍編2 ソロモン航空戦と大和出撃/一つの作戦に目的を二つつける悪癖/史上最大の夜戦の現場/燃え始めた艦橋から降りる/ミズーリ号終戦調印の裏側/台湾海軍設立秘話/澤地久枝、吉村昭の執念はすごかった etc.
第五章 日本軍の文書改竄――史料篇1 後を引いた「甲種」「乙種」「丙種」のネーミング/海軍ダマシとドカレン/大和と武蔵を「使いこなせなかった」ことに問題があった/海軍は戦争開始時の兵力で終戦までがんばる計画だった/松井石根の「陣中日記」改竄をつきとめる/確信犯的に資料を「紛失」した黒島亀人/検閲用と本音用の日記があった/ハワイ・ミッドウェイ図上演習でわかったこと/戦争を知らない世代が戦争を伝える時代/戦闘詳報の改竄/正しい把握からしか正しい結果は生まれない/歴史に残るメイキング――ババル島虐殺事件 etc.
終章 公文書、私文書、オーラルヒストリー ――史料編2 研究史を踏まえないと危ない/日本軍はお役所文化/手堅い入門書を選ぶのは大切/空気を残せるところがオーラルヒストリーの貴重さ etc.
大日本帝国、陸海軍秘話!大和ミュージアム館長と『独ソ戦』著者が初公開。
大日本帝国、陸海軍秘話。大和ミュージアム館長と『独ソ戦』著者が初公開!
戦後、将校・下士官兵は何を二人に語り残したのか……。
大日本帝国陸海軍の将校・下士官兵は戦後に何を語り残したのか?
戦後も陸軍はヤマタノオロチで、海軍は双頭の蛇の組織構造だったこと、
瀬島龍三が情報を握りつぶした話が漏れた経緯に、
松井石根の『陣中日記』改竄を突き止めた舞台裏をはじめ、
陸海軍の秘話が明かされる。
そして、日本軍の文書改竄問題から、証言者なき時代にどう史資料と向き合うかに至るまで、
直に証言を聞いてきた二人が語りつくす!!
■瀬島龍三が情報を握りつぶした話が漏れた経緯
■藤村義一の「誇張」、坂井三郎の「加筆」、朝枝繁春の「ほら」
■大井篤が漏らした「連合艦隊との戦いは終わった」
■『滄海よ眠れ』で暴露された、ミッドウェイで捕虜を茹で殺していた事実
■松井石根の『陣中日記』改竄を突き止めた舞台裏
■大和と武蔵を「使いこなせなかった」ことに問題があった
■歴史に残るメイキング、ババル島虐殺事件 etc.
【目次】
まえがき
序 章 帝国軍人との出会い
第一章 作戦系と情報系――陸軍編1
第二章 陸軍はヤマタノオロチ――陸軍編2
第三章 連合艦隊と軍令部――海軍編1
第四章 海軍は双頭の蛇――海軍編2.
第五章 日本軍の文書改竄――史料篇1
終章 公文書、私文書、オーラルヒストリー ――史料編2
あとがき
ブックガイド
著訳者プロフィール
●大木 毅:現代史家。1961年東京生まれ。立教大学大学院博士後期課程単位取得退学。DAAD(ドイツ学術交流会)奨学生としてボン大学に留学。千葉大学その他の非常勤講師、防衛省防衛研究所講師、国立昭和館運営専門委員、陸上自衛隊幹部学校(現陸上自衛隊教育訓練研究本部)講師等を経て、現在著述業。雑誌『歴史と人物』(中央公論社)の編集に携わり、多くの旧帝国軍人の将校・下士官兵らに取材し、証言を聞いてきた。『独ソ戦』(岩波新書)で新書大賞2020大賞を受賞。著書に『「砂漠の狐」ロンメル』(角川新書)など多数。
目次
序 章 帝国軍人との出会い
『歴史と人物』/海軍史料調査会/最初の仕事は高松宮への挨拶だった/海軍は吉川英治に大東亜戦史を書かせようとした/一般の人は滅多に来ない場所 etc.
第一章 作戦系と情報系――陸軍編1
陸軍は一枚岩ではない/軍事官僚が行った証言のメイキング/林三郎は作戦課に恨み 骨髄だった/日本最大の欠点は敗戦の経験がなかったこと/諜報合戦の経験者、浅井勇/情報とは「砂の中から砂金を拾うようなこと」/インパール作戦従軍者で行った座談会/「瀬島龍三の言うことは、俺は信用しない」/なぜ山本五十六にカリスマ性が生じたか etc.
第二章 陸軍はヤマタノオロチ――陸軍編2
戦争の評価と軍人の評価/藤村義一の「誇張」、坂井三郎の「加筆」、朝枝繁春の「ほら」/暴露し合う陸軍、悪意なく隠す海軍/戦前と接続性があるのは陸自ではなく海自 etc.
第三章 連合艦隊と軍令部――海軍編1
海軍反省会のはじまり/大井篤が漏らした「連合艦隊との戦いは終わった」/「平時の海軍を二〇年経験しないと、まともな海軍士官はできない」/陸海軍は別々の戦史をつくった/出師準備は開戦準備を意味した/錯綜する縁戚関係/ミッドウェイでは捕虜を茹で殺していた/ドイツは真珠湾攻撃にショックを受けた/スイス終戦工作の失敗は功名心にあった/砲術の大専門家が真珠湾攻撃をマズイと思った理由 etc.
第四章 海軍は双頭の蛇――海軍編2
ソロモン航空戦と大和出撃/一つの作戦に目的を二つつける悪癖/史上最大の夜戦の現場/燃え始めた艦橋から降りる/ミズーリ号終戦調印の裏側/台湾海軍設立秘話/澤地久枝、吉村昭の執念はすごかった etc.
第五章 日本軍の文書改竄――史料篇1
後を引いた「甲種」「乙種」「丙種」のネーミング/海軍ダマシとドカレン/大和と武蔵を「使いこなせなかった」ことに問題があった/海軍は戦争開始時の兵力で終戦までがんばる計画だった/松井石根の「陣中日記」改竄をつきとめる/確信犯的に資料を「紛失」した黒島亀人/検閲用と本音用の日記があった/ハワイ・ミッドウェイ図上演習でわかったこと/戦争を知らない世代が戦争を伝える時代/戦闘詳報の改竄/正しい把握からしか正しい結果は生まれない/歴史に残るメイキング――ババル島虐殺事件 etc.
終章 公文書、私文書、オーラルヒストリー ――史料編2
研究史を踏まえないと危ない/日本軍はお役所文化/手堅い入門書を選ぶのは大切/空気を残せるところがオーラルヒストリーの貴重さ etc.
あとがき
ブックガイド