すべては、一切口外無用。それが大奥の掟！

碁打ち衆の一人として名を馳せる不破阿仙は、ある勝負の席で、大奥に碁を打つ者がいると知らされる。詰碁を書いてやったことがきっかけで、その奥女中・川浪と直接会って指南することに。「盤上」という小さな宇宙の中でやり取りをかわすうち、二人の間にはいつしか互いの立場を超える想いが芽生え始めるが、そんな時、川浪が将軍の目に留まり……！？
時代の流れの中で、厳しいしきたりに翻弄されながらも、自分を貫こうとする女たちの生き様を圧倒的な筆力で描いた大奥絵巻。
「川浪のないしょ」のほか、四編を収録。描きおろしオマケ漫画付き。

●藤見　よいこ：２０１４年１月に、戦国武将とその妻の日常を描いた「ふたりじめ　戦国夫婦物語」（実業之日本社）でメジャーデビュー。そのデビュー作がドラマCD化され、翌年２０１５年には、続編の「ふたりごと」を刊行。「あたしのフェデリカ」が小学館のスピリッツ賞に入選し、２０１６年９月〜２０１７年８月まで、月刊スピリッツにて「だんだん街の徳馬と嫁」を連載した。