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仏像の秘密を読む
9784044005702
仏像の秘密を読む
著者:
山崎 隆之
1,298
円(税込)
発売日
2020年06月12日
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ISBN コード : 9784044005702
サイズ :文庫判 総ページ数: 272
商品寸法(横/縦/束幅): 105 × 149 × 10.4 mm
※総ページ数、商品寸法は実際と異なる場合があります
微笑・憤怒・憂い……その表情に隠された工夫とは?
人間とは異なり奇妙な形をした爪、前方向に引っ張られた耳、顔の各部にいくつも開けられた穴……仏師が密かに仕掛けた「秘策」は、まさに仏像の細部に宿っていた。願主の畏れや人々の祈りを、彼らはいかにして具現化しようとしたのか。さまざまな仏像の修復作業にも携わる著者が、造形と技法の両面から、その緻密な工夫と計算に迫る。仏像写真家・小川光三による写真を多数収録した、仏像散策のお供にも最適の一冊。
著訳者プロフィール
●山崎 隆之:1942年、東京都生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科修士課程(保存修復技術専攻)修了。専門は日本彫刻技法史。現在、愛知県立芸術大学名誉教授。著書に『一度は拝したい奈良の仏像』(学習研究社)、共著に『阿修羅像のひみつ』(朝日選書)など。
目次
〇造形の秘密
1 右手の指三本、その爪が語る止利仏師の惑い
●飛鳥寺釈迦如来坐像(飛鳥大仏)
2 飛鳥仏の源流
●中国化した異国の仏
3 台座に仕掛けた「往登浄土」の構想
●法隆寺釈迦三尊像
4 放電する天衣――先端に忍ばせた刃物の形
●法隆寺夢殿救世観音立像
5 伸び上がる若竹のイメージ――衣文でさらなる上昇性
●法隆寺百済観音立像
6 微笑みの弥勒
●広隆寺弥勒菩薩半跏像
7 壁から外へ、踏み出す異人
●薬師寺本尊台座
8 三面六臂の自然な異形――その融合の秘策・耳
●興福寺阿修羅立像
9 飛び出す金剛杵、風をはらむ天衣
●東大寺法華堂執金剛神立像
10 凹ませて出す、逆転の量感表現
●東大寺法華堂不空羂索観音立像
11 特異な体型――巨像ゆえの計算
●東大寺廬舎那仏坐像(大仏)
12 宇宙に広がる仏のイメージ
●唐招提寺廬舎那仏坐像
13 見え隠れする原木の残影――樹勢に委ねた薬師の威力
●神護寺薬師如来立像
14 縦木を束ねた腕と両脚――全身を覆う巨樹の姿
●新薬師寺薬師如来坐像
15 人体への接近または同化――即身成仏の造形化
●東寺講堂不動明王坐像
16 幼女性にくるまれた母なる観音――その二重性が醸し出す至高の境地
●観心寺如意輪観音坐像
17 球面上のレリーフ――円満具足の完成形
●平等院阿弥陀如来坐像
18 板の中、躍動する武神たち――別製弓矢で高まる臨場感
●興福寺板彫十二神将立像
19 西方浄土のバーチャル・リアリティー
●浄土寺浄土堂
20 隠された運慶――東大寺南大門金剛力士立像の作者
●阿吽両像の造形と構造
●足裏に運慶を見た
〇技法の秘密
21 塑像の中で造形を支える心木
●新薬師寺十二神将立像と東大寺戒壇堂四天王立像
22 麻布の像とそれを支える特殊な心木
●興福寺十大弟子立像に見る脱活乾漆の技法
23 脱活乾漆の新たな試み――原型封入の土心乾漆像の可能性
●秋篠寺伎芸天立像
24 一木造りと寄木造りの境界――越えがたいその一線
●同聚院不動明王坐像
25 像内に籠めた生命の根源――太子のしるし
●広隆寺聖徳太子立像
26 彫眼から玉眼へ――進化する眼の表現
●興福寺世親立像
27 仏像の地震対策――建築構法の仏像への応用
●浄土寺阿弥陀三尊立像
28 寸法直しからパッチワークまで――寄木造りの裏技
●興福寺仁王立像を中心に
29 小穴から明かされた仏師の秘伝――錐点
●広隆寺五髻文殊菩薩坐像を中心に
30 仏像雛形――その使用法を探る
●興福寺仁王頭部像を中心に
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微笑・憤怒・憂い……その表情に隠された工夫とは?
人間とは異なり奇妙な形をした爪、前方向に引っ張られた耳、顔の各部にいくつも開けられた穴……仏師が密かに仕掛けた「秘策」は、まさに仏像の細部に宿っていた。願主の畏れや人々の祈りを、彼らはいかにして具現化しようとしたのか。さまざまな仏像の修復作業にも携わる著者が、造形と技法の両面から、その緻密な工夫と計算に迫る。仏像写真家・小川光三による写真を多数収録した、仏像散策のお供にも最適の一冊。著訳者プロフィール
目次
1 右手の指三本、その爪が語る止利仏師の惑い
●飛鳥寺釈迦如来坐像(飛鳥大仏)
2 飛鳥仏の源流
●中国化した異国の仏
3 台座に仕掛けた「往登浄土」の構想
●法隆寺釈迦三尊像
4 放電する天衣――先端に忍ばせた刃物の形
●法隆寺夢殿救世観音立像
5 伸び上がる若竹のイメージ――衣文でさらなる上昇性
●法隆寺百済観音立像
6 微笑みの弥勒
●広隆寺弥勒菩薩半跏像
7 壁から外へ、踏み出す異人
●薬師寺本尊台座
8 三面六臂の自然な異形――その融合の秘策・耳
●興福寺阿修羅立像
9 飛び出す金剛杵、風をはらむ天衣
●東大寺法華堂執金剛神立像
10 凹ませて出す、逆転の量感表現
●東大寺法華堂不空羂索観音立像
11 特異な体型――巨像ゆえの計算
●東大寺廬舎那仏坐像(大仏)
12 宇宙に広がる仏のイメージ
●唐招提寺廬舎那仏坐像
13 見え隠れする原木の残影――樹勢に委ねた薬師の威力
●神護寺薬師如来立像
14 縦木を束ねた腕と両脚――全身を覆う巨樹の姿
●新薬師寺薬師如来坐像
15 人体への接近または同化――即身成仏の造形化
●東寺講堂不動明王坐像
16 幼女性にくるまれた母なる観音――その二重性が醸し出す至高の境地
●観心寺如意輪観音坐像
17 球面上のレリーフ――円満具足の完成形
●平等院阿弥陀如来坐像
18 板の中、躍動する武神たち――別製弓矢で高まる臨場感
●興福寺板彫十二神将立像
19 西方浄土のバーチャル・リアリティー
●浄土寺浄土堂
20 隠された運慶――東大寺南大門金剛力士立像の作者
●阿吽両像の造形と構造
●足裏に運慶を見た
〇技法の秘密
21 塑像の中で造形を支える心木
●新薬師寺十二神将立像と東大寺戒壇堂四天王立像
22 麻布の像とそれを支える特殊な心木
●興福寺十大弟子立像に見る脱活乾漆の技法
23 脱活乾漆の新たな試み――原型封入の土心乾漆像の可能性
●秋篠寺伎芸天立像
24 一木造りと寄木造りの境界――越えがたいその一線
●同聚院不動明王坐像
25 像内に籠めた生命の根源――太子のしるし
●広隆寺聖徳太子立像
26 彫眼から玉眼へ――進化する眼の表現
●興福寺世親立像
27 仏像の地震対策――建築構法の仏像への応用
●浄土寺阿弥陀三尊立像
28 寸法直しからパッチワークまで――寄木造りの裏技
●興福寺仁王立像を中心に
29 小穴から明かされた仏師の秘伝――錐点
●広隆寺五髻文殊菩薩坐像を中心に
30 仏像雛形――その使用法を探る
●興福寺仁王頭部像を中心に