家族不適応殺 新幹線無差別殺傷犯、小島一朗の実像

家族不適応殺 新幹線無差別殺傷犯、小島一朗の実像

1,870円(税込)
発売日2021年09月29日

数量:

ほしいものリストに追加
電子書籍をブックウォーカーで購入

利用可能なお支払方法

クレジット(3Dセキュア) 代引き コンビニ atone キャリア 楽天Edy モバイルSuica Amazon Pay
  • ISBN コード : 9784041109434
  • サイズ : 四六判 総ページ数: 296ページ
  • 商品寸法(横/縦/束幅): 128 × 188 × 20.0 mm
  • ※総ページ数、商品寸法は実際と異なる場合があります

新幹線無差別殺傷事件。理解不能な動機、思考を浮き彫りにする驚愕のルポ!

国家に親代わりを求めた男。
法廷で無期懲役に万歳三唱をし、殺人犯なのに刑務所で生存権を主張し続ける犯人・小島一朗。
誰も踏み込まなかったその内面に、異端の写真家が迫る。全真相解明、驚愕の事件ルポ!

犯人はいったい何者なのか?
―――――
【新幹線無差別殺傷事件】
2018年6月9日、走行中の東海道新幹線の車内で男女3人が襲われ、2名が重軽傷、男性が死亡した。「刑務所に入りたい」という動機だったため、一審で無期懲役となった際に小島一朗は法廷で万歳三唱をした。控訴せず20年1月に刑が確定。小島は刑務所内で生存権を主張し続けている。
―――
2008年以降の無差別殺人事件の犯人は前科前歴なし、両親は揃っており、貧困家庭でもなく友人関係に問題もない、「普通」の者が多い。
だが、「死刑になるため」「刑務所に入るため」と彼らは犯行に及ぶ。
約3年にわたる取材で理解不能な動機、思考を浮き彫りにする驚愕のルポ!

【目次】
序章 鞘─―刑務所に入る夢を叶えた男 
第一章 心――写真家が人殺しに興味を持つ理由
第二章 偏―─歩み寄る難しさ
第三章 記―─「むしゃくしゃしてやった、誰でもよかった」の真相
第四章 凶―─餓死することを止め、生きる選択をした
第五章 会―─アクリル板越しの作り笑顔
第六章 家―─浮かび上がるいい子
第七章 迷―─食い違う家族の言い分
第八章 裁―─真実が語られない虚無な裁判
第九章 答――刑務所でしか手に入らないもの─
第十章 辿―─犯行時のシミュレーションから感じること─
最終章 刑―─自傷行為を通して得られる愛

あとがき
主要参考文献一覧

著訳者プロフィール

●インベ カヲリ★:1980年、東京都生まれ。写真。家短大卒業後、独学で写真を始める。編集プロダクション、映像制作会社勤務等を経て2006年よりフリーとして活動。13年に出版の写真集『やっぱ月帰るわ、私。』で第39回木村伊兵衛写真賞最終候補に。18年第43回伊奈信男賞を受賞、19年日本写真協会新人賞受賞。ライターとしても活動しており、今回は新幹線無差別殺傷犯の小島一朗の動機に関心を抱き、被写体に迫る手法をもって取材を開始し、約3年をかけて本書を上梓した。

目次

序章 鞘─―刑務所に入る夢を叶えた男 
指定席十二号車十八番D席/法廷で万歳三唱/刑務所に入るための無差別殺人
第一章 心――写真家が人殺しに興味を持つ理由
刑務所で生きることの意味/「語る言葉」をもつ人を撮る/無差別殺人犯の変化/家族関係の歪み/死んでなるものか
第二章 偏―─歩み寄る難しさ
「おい、はよ警察よべよ!」/古風な男/ヌード写真に激怒する/権利のための闘争/「私は人を殺して、心底よかったと思う」/小島との合意書/手記を送るためにハンガーストライキ
第三章 記―─「むしゃくしゃしてやった、誰でもよかった」の真相
刑務所に入るのは子どもの頃からの夢である/雨の日の職務質問/警察からの暴行
第四章 凶―─餓死することを止め、生きる選択をした
キャッシュカード/裏寝覚で餓死を試みる/祖母と最後の電話/血で染められた新幹線/ナタを置く
第五章 会―─アクリル板越しの作り笑顔
待合室/笑顔の殺人犯/私は模範囚を目指している/「お前は岡崎の子だ。岡崎に帰れ」/保護室に隔離されたい/命が守られる場所
第六章 家―─浮かび上がるいい子
これは全然“どうでもいい話”じゃない/祖母に宛てた辞世の句/「いっちゃんと面会してくれてるの?」/俺は健常者じゃない/おばあちゃんの子どもになった小島/一貫して否定する祖母/小島の部屋に 入る/一宮の実家/「私からしたら悪魔ですよ」/共通点
第七章 迷―─食い違う家族の言い分
誰かが嘘をついている/小島の答えは初めからすべて決まっている/「私の方からいろいろと質問させていただきます」/小島から見た家族/刑務所に入る準備/素顔が見えるとき/「私は極めて普通の人間です」
第八章 裁―─真実が語られない虚無な裁判
「刑務所に入りたいと考えたのは、いつからですか?」/猜疑性パーソナリティ障害/家族は責任を押し付けあった/不気味な供述/被害者の叫び/「命が惜しくてたまりません」/最終陳述で小島は喋り続けた
第九章 答 ─刑務所でしか手に入らないもの─
動機/人は誰しも生存権を持つ/国家に家庭を求める/殺人犯と人権派の両立/彼女と獄中結婚
第十章 辿 ─犯行時のシミュレーションから感じること─
ラーメンを食べて殺人/事件の起きた「のぞみ二六五号」に乗る/マザーテレサと呼ばれた母/「正義感が強いから、ああなっちゃうんです」/混乱する母/世代を超えた母性の奪い合い/母と息子の共通点/一生入っているはずだった精神科病院
最終章 刑―─自傷行為を通して得られる愛
一方的な求愛/血まみれの切符/理想の家庭を手に入れる

あとがき
主要参考文献一覧
最近チェックした商品