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アルプスでこぼこ合唱団

1,870円(税込)
発売日2022年02月02日

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  • ISBN コード : 9784041112199
  • サイズ :四六判    総ページ数: 264
  • 商品寸法(横/縦/束幅): 128 × 188 × 18.5 mm
  • ※総ページ数、商品寸法は実際と異なる場合があります

悶々とする日々で出会ったのは、謎めいた仲間たちと共に歌うこと――。

したたかでアンフレンドリーな、アルプスの小さな山国スイス。在住20年にもかかわらず、いまだここが「居場所」とはいえない――。そんな悶々とした中で出会ったのは、妙に謎めいた、多国籍な仲間たちの合唱団だった。悪戦苦闘の日々、少しずつ謎がとけてゆく仲間たちと、声を合わせて歌いながら「スイスという国」に根を張ってゆく、異文化合唱エッセイ。

(本書「あとがき」より)
 居場所ってなんだろう。歴史のどの時点で、世界のどの地点に生を受けるかなど、偶然の出来事でしかない。たまたま居合わせた場所や状況や歴史的時間の中で、人はどうやって居場所を探し、それを耕していけるのだろう。居心地の良い場所が築きにくい時に、息苦しい時に、仲間に入っていけない時に、どこにどうやって慰めを見つけたらいいのだろう。
 花の種が風に吹かれてどこかの土に着地する。よく知らない両隣の人たちと共に声を合わせて歌いながら、そんなイメージを私は度々思い浮かべていた。小さな種が、着地したその場所でむっくりと芽を出し、固い土の中にじわりじわりと根を張っていく様を想像した。

著訳者プロフィール

●長坂 道子:1961年、愛知県生まれ。京都大学文学部哲学科卒業。ファッション誌『25ans(ヴァンサンカン)』の編集を経て`88年渡仏。7年間のパリ滞在中より、フリーのジャーナリスト、エッセイストとして雑誌などに多数、記事を発表。ペンシルヴァニア、ロンドン、チューリッヒ、ジュネーブと移住し、現在はチューリッヒ在住。著書に『パリ妄想食堂』(角川文庫)、『フランス女』『裸足のコスモポリタン』(以上、マガジンハウス)、『世界一ぜいたくな子育て』『「モザイク一家」の国境なき人生』(光文社新書)など。