「させていただく」の使い方 日本語と敬語のゆくえ

「させていただく」の使い方 日本語と敬語のゆくえ

990円(税込)
発売日2022年01月08日

数量:

ほしいものリストに追加
電子書籍をブックウォーカーで購入

利用可能なお支払方法

クレジット(3Dセキュア) 代引き コンビニ atone キャリア 楽天Edy モバイルSuica Amazon Pay
  • ISBN コード : 9784040824147
  • サイズ : 新書判 総ページ数: 224ページ
  • 商品寸法(横/縦/束幅): 108 × 173 × 10.4 mm
  • ※総ページ数、商品寸法は実際と異なる場合があります

なぜ、使わずにはいられないのか

「させていただく」は正しい敬語? 意識調査とコーパス調査で違和感の正体が明らかに。現代人は相手を敬うためでなく、自分を丁寧に見せるために使っていた。明治期、戦後、SNS時代、社会環境が変わるときには新しい敬語表現が生まれる。言語学者が身近な例でわかりやすく解説!

「させていただく」の研究書で異例のヒットを記録した言語学者が、身近な例でわかりやすく解説

相手への敬意より自分のために敬語を使っていた
・使われるうちに敬意がすり減る「敬意漸減の法則」
・敬意のインフレーション」で敬語がてんこ盛りに
・「上下関係」よりも「距離感」を重視している

「させていただく」の〈使用拡大〉と〈慇懃無礼な印象〉という矛盾した両面の謎を語用論のアプローチで解き明かす。

【目次】
第一章 新しい敬語表現――街中の言語学的観察
-「免除させていただきます」
-愛されるタメ語キャラと毒舌キャラ
-サザエさんは「させていただい」てない
第二章 ブームの到来――「させていただく」の勢力図
-新しい敬語のお仕事
-敬意漸減の法則
-遅れてきた「させていただく」
第三章 違和感の正体――七〇〇人の意識調査
-敬語の「乱れ」は変化の兆し
-違和感を左右する三つの要素
-最大の要因は「聞き手の存在」
第四章 拡がる守備範囲――新旧コーパス比較調査 
-距離感が二極化している
-政治家は「させていただく」をよく使うのか
-合理化か貧困化か
第五章 日本語コミュニケーションのゆくえ――自己愛的な敬語
-「させていただく」は関西発祥なのか
-「表敬」から「品行」へ
-そして他者はいらなくなった
おわりに
-「させていただく」はコミュニケーションの変化を示す指標   ほか

著訳者プロフィール

●椎名 美智:法政大学文学部教授。専門は歴史言語学。1980年エジンバラ大学大学院修士課程修了。1988年お茶の水女子大学大学院博士課程満期退学。2005年ランカスター大学大学院博士課程修了(Ph.D)。主な編著書・著書に『歴史語用論入門』(共編著、大修館書店、2011年)、『歴史語用論の世界』(共編著、ひつじ書房、2014年)、『させていただくの語用論』(ひつじ書房、2021年)などがある。

目次

はじめに
 SMAPとV6の解散劇

第一章 新しい敬語表現――街中の言語学的観察
 用例を採集する
 「免除させていただきます」
 愛されるタメ語キャラと毒舌キャラ
 サザエさんは「させていただい」てない

第二章 ブームの到来――「させていただく」の勢力図
 「語用論」のアプローチ
 新しい敬語のお仕事
 敬意漸減の法則
 遅れてきた「させていただく」

第三章 違和感の正体――七〇〇人の意識調査
 敬語の「乱れ」は変化の兆し
 違和感を左右する三つの要素
 最大の要因は「聞き手の存在」
 話し手が持つ違和感

第四章 拡がる守備範囲――新旧コーパス比較調査 
 距離感が二極化している
 政治家は「させていただく」をよく使うのか
 関わるようで直接の関わりは避ける
 合理化か貧困化か

第五章 日本語コミュニケーションのゆくえ――自己愛的な敬語
 「させていただく」は関西発祥なのか
 「表敬」から「品行」へ
 敬語のナルシシズム
 そして他者はいらなくなった

おわりに
 「させていただく」はコミュニケーションの変化を示す指標
ほか
最近チェックした商品