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殺戮、奴隷化、疫病による大量死――先住民の悲劇とグローバル化のはじまり
コロンブスが15世紀に持ち帰った中南米原産のトウモロコシや、その後に伝わったジャガイモは、ヨーロッパの人口増加に大きく貢献した。他方、アメリカ大陸へ持ち込まれた疫病は、先住民の急激な人口減少を引き起こす。世界の食卓を豊かにした作物の伝播は、のちに「コロンブスの交換」と呼ばれるが、先住民にとっては略奪や侵略に他ならなかった。南米アンデスをフィールドに農学と人類学を研究する著者が描く、もう一つの世界史。(本書は、『コロンブスの不平等交換 作物・奴隷・疫病の世界史』(角川選書、2017年刊)を、再構成・加筆・改題のうえ、文庫化したものです。)
著訳者プロフィール
目次
第一部 ヨーロッパに与えたもの
第一章 トウモロコシ――コロンブスが持ち帰った穀類
第二章 トウガラシ――世界各地の食文化をになう
第三章 ジャガイモ――ヨーロッパの飢えを救う
コラム1 コロンブスより前に海を渡った栽培植物
第二部 先住民にもたらされた災厄
第四章 サトウキビ――砂糖の生産と奴隷
第五章 馬と牛――生活を破壊したヨーロッパの家畜
第六章 天然痘――先住民の凄惨な悲劇
コラム2 ラテンアメリカ音楽の誕生
終 章 コロンブスの功罪
あとがき
初出
注
参考文献