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レモンケーキの独特なさびしさ

訳者: 管 啓次郎
発売日
2016年05月28日
在庫なし
2,420
在庫がありません
ISBNコード
9784041104859
商品形態
一般書
サイズ
四六判
商品寸法(横/縦/束幅)
128 × 188 × 28.4 mm
総ページ数
352ページ
全米ベストセラー!『燃えるスカートの少女』のエイミー・ベンダー最新傑作
「種明かしをするわけにはいかないので、ここではただ、この本を書いているあいだ、感じやすい(sensitiveである)とはどういうことかについてたくさん考えていた、とだけいっておきましょう」――エイミー・ベンダー

9歳の誕生日、母がはりきって作ってくれたレモンケーキを一切れ食べた瞬間、ローズは説明のつかない奇妙な味を感じた。不在、飢え、渦、空しさ。それは認めたくない母の感情、母の内側にあるもの。
以来、食べるとそれを作った人の感情がたちまち分かる能力を得たローズ。魔法のような、けれど恐ろしくもあるその才能を誰にも言うことなく――中学生の兄ジョゼフとそのただ一人の友人、ジョージを除いて――ローズは成長してゆく。母の秘密に気づき、父の無関心さを知り、兄が世界から遠ざかってゆくような危うさを感じながら。
やがて兄の失踪をきっかけに、ローズは自分の忌々しい才能の秘密を知ることになる。家族を結び付ける、予想外の、世界が揺らいでしまうような秘密を。

生のひりつくような痛みと美しさを描く、愛と喪失と希望の物語。