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歌人藤原定家の苦難の熊野詣紀行。22日間にわたる苦行は何だったのか。
中世の人々の信仰を集めた熊野詣は、苦しい道を辿れば辿るほど来世の利益が約束されるという困難な旅であった。建仁元年、後鳥羽院に同行を命じられた藤原定家は、先駆けとして先々の儀式や食事、宿舎の世話をする役目だった。のんびり歌を作る暇もない中で、時には寝過ごして慌てることもあったが任務をまっとうした。不平不満を漏らす同行記録からは、定家の人間的な側面がよく見える。熊野を熟知した著者ならではの定家考。目次
第二章 熊野三千六百峰への道
第三章 南無 日本第一霊験熊野大権現
第四章 花山院の熊野行
第五章 補陀洛渡海
第六章 那智妙法山 阿弥陀寺
第七章 大雲取越え
第八章 天竺 摩竭陀国
現世極楽の一冊 木村尚三郎
上田正昭が読む『熊野御幸』 上田正昭
司馬さんと熊野 神坂次郎
熊野関連地図