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「今度の “犯人” はひどく―― 質(たち)が悪いようだ……」
“世界の敵”とはなんだろうか? ヤバいことばかり考えている奴がそうだというのなら、この世は既に敵だらけだろう。このオレ、霧間凪には難しいことはわからない。だがその善悪の境界線みたいな所をブギーポップの奴は歩いている気がするし……そしてオレが中学生の頃に出会ったあの変わり者の女、九連内朱巳もまた、両方にまたがる場所に立っていた気がする。悪を恐れず、善に怯まず――あの「傷物の赤」はそういう少女だった――生命を停められた被害者たち。どこから襲ってくるか予測不能の敵。無為なる危機に対し霧間凪は如何に戦うのか。そして背後には迫りくる黙示録の予兆が……切ない恋心が“心のない赤”に変わるとき、少女は何を決断するのか。