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日本の女の指の色には、アクアマリンが最もふさわしい―名随筆を厳選!
『痴人の愛』や『卍』『細雪』など、官能美を描く耽美的な作品を残した谷崎。その美意識は、どのように形成されていったのか。代表的随筆「陰翳礼讃」の礎ともなった表題作をはじめとして、自身が神奈川県で被災した関東大震災を記録する「『九月一日』前後のこと」、関西移住後に故郷である東京をつづった「東京をおもう」ほか11作品を所収。著者の類いまれなる美意識と、その根底に横たわる日本観に迫った随筆選。解説・山折哲雄著訳者プロフィール
●山折 哲雄:山折哲雄 1931年生まれ。宗教学者。東北大学文学部印度哲学科卒業。同大学文学部助教授、国立歴史民俗博物館教授、国際日本文化研究センター教授、同センター所長などを歴任。著書に『空海の企て』『愛欲の精神史』『「始末」ということ』など多数。
目次
夏日小品
にくまれ口
老いのくりこと
私の初恋
父となりて
女の顔
頭髪、帽子、耳飾り
縮緬とメリンス
都市情景
「九月一日」前後のこと
東西美人型
関西の女を語る
東京をおもう
注解
解説 山折哲雄