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神隠しに人々が託した思いとは
渡った人が消える橋、"あちら側"の住人のような猫、神隠しに遭った人が住む隠れ里――。各地の説話に柳田は何を思い、描いたのか。 「ここではないどこか」に憧れるロマン主義者の一方で、普通選挙実現を目指す社会変革者でもあった彼の双極性を見通すアンソロジー。著訳者プロフィール
●大塚 英志:1958年生まれ。筑波大学人文学類民俗学専攻卒業。まんが原作者、評論家、編集者など多岐にわたり活躍。現在、国際日本文化研究センター教授。著書に『ミッキーの書式』『戦後まんがの表現空間』(第16回サントリー学芸賞)、『「捨て子」たちの民俗学』(第5回角川財団学芸賞)ほか多数。
目次
解題
作之丞と未来(上)
作之丞と未来(下)
第一部 神隠しにあいやすき気質
解題
遠野物語(抄) 神隠し譚 六─八、二八─三五
故郷七十年(抄) 神隠し・引き籠り・子殺し・人さらい
五十年前の伊豆日記
天狗松・神様松
沓掛の信仰
解題
山荘太夫考
細語の橋
どら猫観察記
耳たぶの穴
にが手の話
にが手と耳たぶの穴
耳たぶの穴の一例
童児と神
小児生存権の歴史
第二部 隠れ里の研究
解題
遠野物語(抄) マヨイガ譚 六三─六四、九〇─九三
入らず山
甲賀三郎の物語
隠里
広島へ煙草買いに
伝説の系統及び分類
終章 幼児の災害
解題
幼児の災害
資料 『遠野物語』の時代
解題
広遠野譚
一つの空想 田山花袋
北国の人 水野葉舟
舘の家 佐々木喜善
遠野物語 折口信夫
ロマンスと変革者 大塚英志