しぐさの民俗学

しぐさの民俗学

著者: 常光 徹
1,188円(税込)
発売日2016年09月24日

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  • ISBN コード : 9784044000325
  • サイズ : 文庫判 総ページ数: 384ページ
  • 商品寸法(横/縦/束幅): 105 × 149 × 14.5 mm
  • ※総ページ数、商品寸法は実際と異なる場合があります

エンガチョ、狐の窓、股のぞき……謎のオマジナイはどこから来た?

「霊柩車に出合ったら親指を隠す」「汚いものに触れたらエンガチョを切る」。呪術的な意味を帯びた「オマジナイ」と呼ばれる身ぶり。息を吸ったり吹いたり、指を組んだり、呪文を唱えたり…人が行う「しぐさ」にまつわる伝承と、その背後に潜んでいる民俗的な意味を考察。伝承のプロセスを明らかにするとともに、そこに表れる日本人の精神性に迫る。身近な暮らしのなかに、新たな発見を見いだしてきた著者の代表作。

著訳者プロフィール

●常光 徹:1948年、高知県生まれ。國學院大学卒業。国立歴史民俗博物館名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授。博士(民俗学)。日本民俗学会、日本口承文芸学会会員。著書に『学校の怪談――口承文芸の展開と諸相』(ミネルヴァ書房)、『うわさと俗信――民俗学の手帖から』『折々の民俗学』(ともに河出書房新社)、『妖怪の通り道――俗信の想像力』(吉川弘文館)などがある。

目次

【目次】
序 俗信と心意  
第一章 息を「吹く」しぐさと「吸う」しぐさ  
1 息を「吹く」しぐさ
  災厄を祓う/妖怪を吹く、妖怪に吹かれる/息と霊魂/ウソブキと風/口笛と蜂
2 息を「吸う」しぐさ   
  漁師とねず鳴き/遊女とねず鳴き
第二章 指を「隠す」しぐさと「弾く」しぐさ  
1 指を「隠す」しぐさ  
  霊柩車に出合ったら親指を隠す/霊柩車に出合うと縁起がよい/狙われる親指/蜘蛛淵伝説の恐怖/親指を隠す理由/親指の連想/指と俗信
2 指を「弾く」しぐさ  
  爪弾きの呪力/いざなぎ流にみる爪弾き
第三章 股のぞきと狐の窓  
1 股のぞきと異界  
  妖怪の本性を見る/未来の吉凶を見る/異国を見る
2 股のぞきと袖のぞき  
  天橋立股のぞき/天橋立袖のぞき
3 狐の窓と怪異現象  
  日当り雨と狐の嫁入り/狐の窓から覗く
4 覗き見る伝承の諸相  
  穴や隙間から覗く/二股の間から覗く/絵巻に描かれたしぐさ
第四章 「後ろ向き」の想像力  
1 妖異と接触する方法  
2 「後ろ向き」と境界  
  辻と後ろ手/葬送習俗と「後ろ向き」/後ろ向き・後ろ手の多様性
3 「振り返るな」の禁忌  
第五章 動物をめぐる呪い 
1 虫の動きを封じるしぐさ  
  穴の蛇を引き抜く法/にが手とまむし指/蜻蛉が目を回す
2 祟りと摂食行為  
  猫を食った話/蛇を食った話
第六章 エンガチョと斜十字  
1 エンガチョと穢れ  
  生首を見る人びと 『平治物語絵巻』から/エンガチョのしぐさと形
2 斜十字の民俗  
  生と死をめぐる伝承/一つ目小僧と目籠/疫病よけと十文字
第七章 クシャミと呪文  
1 ハナヒからクサメへ  
  クサメをめぐる解釈/クシャミの俗信と呪文
2 クシャミの由来譚  
第八章 「一つ」と「二つ」の民俗  
1 一声と二声の俗信  
  モシとモシモシ/一声呼びの禁忌
2 片道と往復の俗信  
  墓場からの帰り道/ハチワレ猫の禁忌
第九章 「同時に同じ」現象をめぐる感覚と論理  
1 同時に同じことを言ったとき  
  ハッピーアイスクリーム/「同時に同じ」が忌まれる理由
2 「同時に同じ」をめぐる民俗  
  箸わたしの禁忌/相孕みと勝ち負け/双子の命名/二度あることは三度ある
終 しぐさと呪い
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