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買ったあいつと、買われた俺は、たぶん同じように飢えていた。
「買わせてくれない? 君の時間を、月20万円で」高校2年の冬。枕元には母の骨があった。長く闘病した母が死んで、一度も頼れたことなどなかった父は蒸発した。
全てを失った少年・坂田は、突然目の前に現れた西川と名乗る男に、奇妙な取引を持ちかけられる。
母の葬儀代を稼ぎたい一心で応じた坂田に、実は同い年だという西川が提示した条件は、更に不可解なものだった。
1.毎日、高校にくること
2.僕と同じ大学に合格して通うこと
3.今日から友人として振る舞うこと
金で結ばれた関係はやがて説明のつかない「本物」へと形を変える。愛に飢えた少年たちが紡ぐ、透明な青春譚。
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目次
後章 透過色彩の歳華