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自律性と主体性を併せ持つ日本人。「右に倣え」の米国化は愚策である
グローバル・スタンダードに沿おうとする構造改革路線が続く中、日本人は権威に弱く、同調主義的であるとの見方が強まっている。だが、本来、日本人は自律性、主体性を重んじてきた。現在、改革をすればするほど閉塞感が増すという一種の自己矛盾の状態が続いているが、文化と伝統のある社会で日本人が持ち合わせてきた自律性と道徳観について、『菊と刀』や『リング』『貞子』『水戸黄門』なども題材にしながら論考していく。さらに、人々がよりいきいきと暮らせる安定した社会を取り戻すためには何が必要か、真っ当な国づくりについても考察していく。気鋭の政治学者で、話題作『英語化は愚民化』著者による画期的日本論。著訳者プロフィール
目次
第二章 日本文化における自律性――ベネディクト『菊と刀』批判を手がかりに
第三章 改革がもたらす閉塞感――ダブル・バインドに陥った日本社会
第四章 「日本的なもの」の抑圧――紡ぎだせないナショナル・アイデンティティ
第五章 真っ当な国づくり路線の再生