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豊かな日本語の世界に迫る、日本語論の決定版!
訓読みは、発音も概念も文法も全く異なる中国語の漢字を受け入れ、それを大和言葉で読むことに始まった。以来、日本人は、漢字の読みとしてだけでなく、英語や洋数字、さらには絵文字を日本語に取り入れる際にも、訓読みの手法を発揮した。日本人が独自の感性による創造を加えながら、各時代の中で発展させてきた訓読みは、今も自在に変容し続けている。そのユニークな例を辿り、豊かで深遠な日本語の世界に分け入る。著訳者プロフィール
目次
第一章 訓読みの歴史
訓読みとは何か
訓読みを体系的に行うのは日本だけ
日本での訓読みの始まり
時代によって移り変わる字義
日本語と結びついて変化した字義
国訓と国字
第二章 音読みと訓読み
音読みの世界
訓読みの効果の例
専門用語と訓読み
音読みと訓読みの境界
音訳と訓読み
音訓の交替
「ポータラカ」が「晃」に
「時計」──湯桶読み
第三章 多彩な訓読み
大げさな字の訓読み
町や村の読み
固有名詞の訓読み
幽霊文字
読まれない漢字
長い訓読み
数字の訓読み
ローマ字の「訓読み」
世界の文字と日本の訓読み
第四章 訓読みの背景
机
蝕む
「かげ」と「ひかり」
もえる
皿
入
する
木
「いそぐ」と「いそがしい」
なみだ
たま
まつりごと
もみじ
ばら
でこぼこ
すばる
場
炒
雷
オンス
ノック
第五章 同訓異字のはなし
同訓異字
誘と哘
貰うともらう
卵と玉子
風と風邪
「初め」と「始め」
「堀」を「掘る」
「明らか」と「諦める」
「極める」と「決める」
「書く」「掻く」「描く」
うるさい
妖と艶
わけ
色々な「くろ」
第六章 一字多訓のはなし
一字多訓
空
生
上下
女と男
打つ
匂
蛙
戦
禿
第七章 漢字政策と訓読み
訓読みと送り仮名
振り仮名・ルビ
口語と訓読み
漢字仮名交じり文と訓読み
訓読みの危うさ
漢字表と訓読み
日本人の姓
名乗り訓
第八章 東アジア世界の訓読み
中国における「訓読み」事情
朝鮮・韓国における「訓読み」事情
ベトナムにおける「訓読み」事情
おわりに