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武力ではなく、経済の力で世界と戦うのだ。今必読の歴史ドキュメント小説!
激動の昭和で、常に権力の中枢にいた稀代の政治家・岸信介が目指したものとは?これからの日本を語り合うための、歴史ドキュメント小説!
昭和8年(1933)。商工省・臨時産業合理局事務官の岸信介は、組織の枠を超えて活躍していた。
人当たりがよく、話もうまい。上司にも女にも気に入られる岸は、末は次官や大臣にもなるのではないか、と目されていた。
国家運営の根幹は経済であり、列強と対峙していくには武力ではなく経済力が必要だと説く岸は、関東軍が支配する満洲に乗り込み産業発展に邁進、日産コンツェルンの満洲移転という奇手の実現を図る。
が、戦争は泥沼化してゆき――。
きな臭い時代にこそ、文官の役割は重大だ。
マルス(武の神)ではなく、ミネルヴァ(文の神)こそが先頭に立たねばならない。
著訳者プロフィール
目次
第一章 男の嫉妬
第二章 真っ白なカンヴァス
第三章 渡満
第四章 大事には金がかかる
第五章 矛盾の大陸
第六章 官僚から政治家へ
第七章 政変、また政変
第八章 情け無用の闘い
第九章 リターン・マッチ
第十章 フラッシュとモーニング
第十一章 最後通牒
第十二章 戦争指導
第十三章 喧嘩師の血
第十四章 巣鴨プリズン