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僕に近づいてはいけない。 あなたを殺してしまうから。
週刊誌記者のスクープ獲得の手伝いをしている僕、坂木錠也。この仕事を選んだのは、スリルのある環境に身を置いて心拍数を高めることで、“もう一人の僕”にならずにすむからだ。昔、児童養護施設<青光園>でともに育ったひかりさんが教えてくれた。僕のような人間を、サイコパスと言うらしい。ある日、<青光園>の仲間の“うどん”から電話がかかって来て、平穏な日常が変わり始めた。これまで必死に守ってきた平穏が、壊れてしまう――。
著訳者プロフィール
05年に上梓された『向日葵の咲かない夏』が08年に文庫化されベストセラーに。07年『シャドウ』で第7回本格ミステリ大賞、09年『カラスの親指』で第62回日本推理作家協会賞、10年『龍神の雨』で第12回大藪春彦賞、『光媒の花』で第23回山本周五郎賞を受賞。11年、史上初となる5回連続候補を経て『月と蟹』で第144回直木賞を受賞。他に『鬼の跫音』『球体の蛇』『満月の泥枕』など著作多数。