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やがて、終わりと始まりは同時に訪れる。
世界は痛みに満ちている。大戦終結直後、ディン共和国のスラム街にある噂が流れていた。曰く、軍を襲撃しては食料を奪い続けた怪物がいると。その姿を目にした者は誰一人おらず、人々は恐怖と崇拝を込めてそれを『塵の王』と呼んでいた。噂を追い、単身スラムに乗り込んだギード。彼が目にした怪物の正体―ーそれは、まだ年端も行かない少年だった。後に”クラウス”と名付けられるその子どもに、ギードは告げる。
「――『焔』に来い。そこが、お前が生きるべき場所だ」
これは過去と現在を繋ぐ物語。やがて世界最強へと至る少年は、まだスパイがなにかも分かってはいない。
著訳者プロフィール