昨年12月に、私のはじめての著書である『年齢を重ねるのが楽しみになる　フランス流のもの選び』を出版いたしました。
私は20代でヨーロッパの企業に就職し、その後、日本とフランスを行き来する生活から、YouTubeでフランス流のシンプルシックな暮らしについて発信してきました。
フランスには、「アール・ド・ヴィーヴル（生活の美学）」という言葉があり、その精神がDNAに組み込まれています。
日常を過ごすのに、自分で選んだ大好きなものだけに囲まれて、自分らしくいることができれば、それがいちばんの幸せなのではないでしょうか。
その幸せのお裾分けができればと、私のこれまでの経験を元に、フランス流のもの選びについてまとめたのがこの本です。
そして、その出版にあたってオリジナルグッズ製作の機会をいただき、できあがったのが今回ご紹介する「Katie オリジナルスカーフ『comme tu veux』」です。
オリジナルグッズとしてスカーフを作ることにした理由は、シンプルに、私が持っていなくて欲しいものを作りたかったから。

日本には昔から風呂敷文化があり、さまざまな用途に使われてきました。
そんなふうに多様な使い方ができるスカーフを長く探していたのですが、なかなか理想的なものと出会えずにいました。
とくにシルクのスカーフは、ほかの素材には代えられない高級感やおしゃれさがあるので、普段の服装にプラスするだけで華やかな印象となり、食事会などちょっとしたよそゆきの場でも大変重宝します。
バッグや靴などがそういった「プラスにできるアイテム」の基本ではありますが、シルクスカーフはたった１枚でその役目を担ってくれるのです。
大判のものであれば、膝掛けや肩掛けといった防寒具にもなり、バッグやベルト、洋服の代わりなど、思いもよらないようなさまざまな使い方があります。
そんな万能アイテムは私自身も欲しいですし、みなさんにもお使いいただきたいと思って、この「Katie オリジナルスカーフ『comme tu veux』」を製作しました。
そもそもスカーフは軽いものですし、コンパクトに折りたたむことができるので、どこにでも持っていくことができます。
フランス語には「Bon voyage！（良い旅を！）」という言葉がありますが、人生を長旅にたとえる場合も多く、その際にはこの言葉を「良い人生を！」というニュアンスで使ったりもします。
それゆえに、私も人生を旅にたとえることが多いのですが、旅をするなら荷物は少ないほうがいいですよね。
身軽なほうが、思い立ったらすぐに出かけられますし、場所や交通機関も選ばずにすみます。
パッキングや探しものに費やす時間を、旅先での楽しみや経験にあてることもできるかもしれません。
旅でも人生でも、シーンによってさまざまなおしゃれを楽しみたいですよね。
そんなときに役立つのがシルクスカーフだと私は思っています。
みなさんにも、ぜひこのアイテムで、自分らしいおしゃれを楽しんでいただけたらうれしいです。

スカーフはファッションのポイントとして使うアイテムであり、そのデザインや色は、装い全体に大きな影響を与えます。
私はもともとシンプルな服装が多いので、スカーフを身にまとうとしたらなおさらその影響が大きくなるのです。
だからこそ、自分の理想とするスカーフを探し続けてきました。
日本製のものも素敵なアイテムはたくさんあるのですが、私が重要視している「抜け感」のあるものがなかなか見つかりません。
たとえば、私のお気に入りのブラウスに、ネイビー地に赤いハートがプリントされたものがあるのですが、これはフランスのスーパー「モノプリ」で購入したもの。
高価なものではまったくないのですが、このブラウスと同じような抜け感のある品は、日本ではなかなか見つけられないのです。
スカーフも同様で、いくつかお気に入りのものはあるのですが、それらはすべてフランスで購入したもの。
以前、YouTubeで手持ちのスカーフをご紹介したとき、視聴者の方から「それはどこで購入されたものですか？」とご質問をいただいたのですが、海外で買ってきたことをお伝えすると、「日本では売っていないんですね。残念です」との感想を多くいただいてしまいました。
しかも、私が持っているお気に入りのスカーフは細長のものばかりで、正方形のスカーフは見つけることができずにいたのです。
そういった経緯もあり、「それなら、ヨーロッパで売っているようなおしゃれなデザインで、正方形の理想のスカーフを作ってしまおう！」と思ったのが、このアイテムが生まれたきっかけのひとつです。

そんな動機から製作することを決めたので、このオリジナルスカーフはデザインの抜け感にとてもこだわりました。
パッと目に飛び込んでくる自然な青さに、差し色の赤が生きています。
ベルトのように使っていただくと、ちょうどリボンのように結んだところに赤い色が見えてアクセントになります。
このスカーフのイラストとデザインを担当してくださったyukinoさんは、ご自身でもさまざまなグッズを製作・販売されていて、とても人気のある方なのですが、私が求めていた、ちょうどいい抜け感を表現してくださり、心から感謝しています。
また、デザインと同じく、素材がシルクであることにもこだわりました。
私はコットンスカーフも好きで、バンダナタイプのものなどは、ものを包むのに使ったり、ハンカチ代わりに汗を拭いたり、首に巻いたりといろいろな使い方をしています。
けれど、高級感やエレガントさ、ちょっとプラスしたときのおしゃれ感という意味では、やはりシルクに軍配が上がります。
そのうえで、いろいろな用途に使えるよう、サイズも熟考しました。
88cm×88cmと大判なので、背丈や体型にもよりますが、体に巻いて縛ることでベアトップのようにお使いいただくこともできます。
ここまで大判でありながら、こんなにかわいいデザインのスカーフというのはなかなかないと思うので、１枚お持ちいただくと、とても便利だと思います。
普通サイズのスカーフですと、どうしても服装に合わせて何種類か必要になってしまいますが、このスカーフは１枚あれば何にでも使えます。
すべての面で「ありそうでないもの」にしたという意味では、あらゆるこだわりを叶えたスカーフになりました。