こんにちは、ごまらーめんです。
お立ち寄りいただきありがとうございます。
このたびＫＡＤＯＫＡＷＡさんからお声がけいただき、念願だった作品集『黒猫の旅』とグッズを販売することになりました。

私の作品は、黒猫が旅する様子を、青を基調とした水彩画で表現したものです。
いつも水彩紙に向かって筆を握るとき、どんな絵になるか自分でもわかりません。その日、目にとまった絵の具を水彩紙に塗りながらイメージを膨らませていきます。 青をにじませたり、重ねたりするうち、私の中におぼろげに風景が浮かび上がってきます。そのイメージに近づけるように筆を動かし、試行錯誤するうち、イメージはどんどん具体的になり、やがて一枚の風景画ができあがります。 できあがった風景を見ていると、その風景のどこにどんなポーズで黒猫が入るべきか、自然に浮かんできます。まるで頭の中の黒猫がここにいる自分を描けといっているように･･･。
このようにしてできあがった絵は、不思議とファンタジーぽさがあり、ときに哀愁や郷愁がただよいます。満天の星空の下、風が吹き渡る草原、波のきらめく海岸、黒猫はいろいろなところを旅します。黒猫の旅に目的地はないのです。 自由に、楽しく、気ままに、そしてときに孤独に･･･。
皆さんも、私と一緒に、黒猫の旅を見守ってください。一緒に絵の中を旅してください。
何かとたいへんな現実社会、日々の生活に疲れた方、なんとなく寂しさを感じている方、黒猫の旅が、そんな方を少しでも励まし、元気づけるものであったらと願います。

作品集には表紙を含めて、21点のイラストが収録されています。X（Twitter）で特に反響があった作品や、私のファンの方が好んでくださるであろう作品、そして私の代表作のようなイラストを中心に選定し、新作もたくさん加えました。
黒猫の表情がわかるもの、旅をしている世界観が伝わるものなど、バリエーションを豊かにこだわって選定しています。
ベースとして使用している青についても、水彩画独特の色の重なりで生まれた美しさをぜひ体感していただけると幸いです。
作品集は、私の夢でもありました。
いざ出版すると決まって、数百点の作品から皆さまによろこんでいただける作品を選ぶことは大変ではありましたが、少しでも多くの方に「癒し」を与えられる作品集になればと思います。

作品集をつくることも夢ではありましたが、今回、複製原画を皆さんにお届けできることも楽しみの一つです。3作品のうち、『生きる』のみが既存の作品、ほか2作品は新作となっています。
また、作品1枚1枚にささやかではありますが、鉛筆で直筆サインと、シリアルナンバーを入れる予定です。
作品の世界観を大切にしたいので、目立つ位置に入れませんが、こちらも喜んでいただけるとうれしいです。

ある日、いつものように青い絵の具を塗っていたら、ふと、猫の綺麗な瞳を描きたいと思いました。スッと頭の中に、見上げる黒猫のイメージが浮かんできたんです。
頭のイメージにそって筆を動かしていると、できあがったのは、まるで強い意志を秘めて空を見上げるような黒猫でした。「生きる」という題名もすぐにひらめきました。
生きていると、いろいろと悩んだり考え込むこともあるけれど、ある瞬間、ふと、考えが決まって決意が固まる。そんな一瞬の表情を捉えた絵になったと思っています。

この絵には、黒猫だけでなく白猫も登場します。この二匹は旅の途中で、ごくたまに出会うのです。出会うのはたまにですが、お互い心の中ではいつも一緒なのです。
白猫、黒猫、いつまでも仲良くね。たまには二匹だけの時間を楽しんでね。

人影のない白い路地、かすかに聞こえる波の音、そして花の香り。午後の陽が白い壁を優しく照らす。
ぼくはこんな場所を歩きたいのです。あちこち彷徨いたいのです。
そして、そんな散歩の最後に黒猫に出会えたらとても幸せです。

今回、作品集、複製画以外にも、いつも身近に作品を感じていただけるグッズを製作しました。もちろんモチーフはすべて作品集に登場する黒猫なのですが、特にお気に入りはトートバッグです。黒猫をぜひいろんなところに連れて行っていただきたい、そんな思いで作っています。
ちなみにトートバッグに使用されているイラストは、X（Twitter）でアンケートをとらせていただきまして、皆さんからたくさん票をいただいたものを使用しております。ご協力いただいた方々、ありがとうございました。
クリアポストカードや切手風シール、クリアマグネット、缶バッジは贈り物としてもおすすめですし、ぜひ身近に黒猫を感じていただけるグッズとなっていますので、生活の一部にこの黒猫を置いていただけるとうれしいです。

水彩画にこだわる理由の一つに、絵具の重なりの美しさがあります。
油絵とは違い、水彩画は色をのせた後に、さらに同じ色を重ねるだけで深みが増します。特に青は透明感があるものから、漆黒のような力強い青まで幅広く、その色を二度と同じように表現できないおもしろさがあると考えています。
私の妄想の景色ではありますが、非日常的な景色と黒猫の旅、ぜひお楽しみください。