〈目次〉
まえがき
第一章　ヘシオドスのプロメテウス神話
一　ギリシア神話の主な資料
二　メコネでの事件によって定められた神と人間の区別
三　ゼウスとティタンたちとの戦いとメコネの事件
四　ゼウスによる秩序の完成以前、曖昧だった区別
五　ゼウスの計画を狂わせようとしたプロメテウスの悪巧み
六　供儀式で確認される神と人間の違い
七　神と人間を区別する胃袋
八　プロメテウスの悪巧みに対するゼウスの報復
九　プロメテウスの窃盗により人間が手に入れた　　　十　火の窃盗に対する報復として造られたパンドラ
十一　人間の女が持つことになったアフロディテの魅力
十二　生まれつき大泥棒の神、ヘルメス
十三　赤児のヘルメスがついた大嘘
十四　パンドラを花嫁に貰ったエビメテウス野失敗
十五　甕から出た災いとパンドラから生じた女たち
十六　夫の穀物倉の中味を貪る盗人である女
十七　男の運命となった火である女との結婚
十八　失敗に気づくエピメテウスでもあるプロメテウスと人間
十九　プロメテウスでもエピメテウスでもある人間と不可分な希望
二十　人間に不可避の運命と『仕事と日』にある教訓の意味
第二章　アイスキュロス劇のプロメテウスとペルシア戦争
一　ヘパイストスの同情とプロメテウスの沈黙
二　ゼウスにとって不可欠なプロメテウスの知恵
三　ゼウスの計画を狂わせた人間への助け
四　ゼウスがしてはならぬ結婚の秘密
五　いっそう苛酷にされる責め苦
六　解放とゼウスとの和解
七　マラトンでのアテネ軍の勇戦と勝利
八　神意を覆したサラミスの海戦の勝利
九　プロメテウス像に見るアテネ人たちの自信
第三章　ソポクレスの『オイディプス王』
一　テバイの市民たちとオイディプス
二　スピンクスの謎とオイディプス
三　新しい謎解きへの挑戦
四　布告と下手人に対する呪詛
五　テイレシアスとの対話
六　イオカステが口にする謎解きの手掛かり
七　一人と大勢の違いとコリントからの知らせ
八　真実を覚ったイオカステの反応
九　アナグノリシスとペリペテイア
十　人間のパラデイグマであるオイディプス
十一　眼を潰しても見ることを止めぬオイディプス
十二　獣のピュシスと人間のピュシス
第四章　ペロポネソス戦争と二篇のオイディプス劇
一　『オイディプス王』とアテネを苦しめたペスト
二　ペリクレス時代のアテネ人たちの自信
三　アテネ人の経験とオイディプス劇
四　驚くべき変化のはじまり
五　息子たちとテバイへの怒り
六　オイディプスに起こった奇跡とソポクレスの遺言