- ISBNコード
- 9784043574230
- レーベル
- 角川ソフィア文庫
- 商品形態
- 文庫
- サイズ
- 文庫判
- 商品寸法(横/縦/束幅)
- 105 × 149 × 10.0 mm
- 総ページ数
- 258ページ
王朝の理想の男の一生を、和歌で彩り綴る短編歌物語集の傑作
王朝の男の理想像「昔男」の人生を、「初冠」(成人式)から臨終まで、秀逸な和歌とともに語る短編連作歌物語集の傑作。美男で心優しく情熱的な昔男には、高貴な女性も市井の女も、老いも若きも心を奪われないではいられない……。王朝の人間模様を生き生きとつづり、後世の日本文化に大きな影響を与えた作品。現代語訳・原文・注釈・コラムなどによって、哀切な純愛から年をとった男のいささか滑稽な姿までを縦横に楽しめます。
目次
はじめに
透き間から昔男の忍ぶ恋〈初段〉
春雨をながめて日がな想う女〈二段〉
ひじき藻に熱い思いを贈りやる〈三段〉
月と春去年も今年も変わらぬが〈四段〉
童の崩した築地は恋の路〈五段〉
芥河はかなき女は露と消え〈六段〉
うらやまし京恋しやかえる浪〈七段〉
友と見る浅間の山に立つ煙〈八段〉
東下り──東国の沢に淋しくかきつばた〈九段―一〉
東下り──道暗く夢にも宇津にも逢わぬ女〈九段―二〉
東下り──隅田河問えど答えぬ都鳥〈九段―三〉
みよし野でたのむの雁とめぐり逢い〈一〇段〉
武蔵野の野焼きの煙たえかねて〈一二段〉
恥ずかしや武蔵鐙を踏み違え〈一三段〉
くたかけと悪態ついて捨てられて〈一四段〉
忍ぶ道えびす心を見てしまい〈一五段〉
妻去りて尼の羽衣手に涙〈一六段〉
風速く天雲遠く去って行く〈一九段〉
便りには植えてくれるな忘れ草〈二一段〉
恋しさは千夜を一夜に八千夜にも〈二二段〉
筒井筒──筒井筒幼なじみに恋心〈二三段―一〉
筒井筒──筒井筒沖つ白波乗り越えて〈二三段―二〉
筒井筒──筒井筒高安の女遠くなり〈二三段―三〉
梓弓君に寄り添うわが心〈二四段〉
色好む女にじらされ通いつめ〈二五段〉
水の面映る我見て物思い〈二七段〉
あれほどに固い契りも水漏れし〈二八段〉
枯れ草葉呪えば生える忘れ草〈三一段〉
朝顔の浮気気にして下紐を〈三七段〉
若者の命かけたる恋心〈四〇段〉
紫と緑の草木野に満ちて〈四一段〉
色好む女と通わす情と文〈四二段〉
行く蛍雁に伝えよ秋の風〈四五段〉
妹よ決して結ぶな草枕〈四九段〉
男女ともはかない心あてにせず〈五〇段〉
密やかに恋した男はわれからか〈五七段〉
集まって騒ぐ女が鬼に見え〈五八段〉
なつかしき花橘は元の妻〈六〇段〉
筑紫まで好き者の噂届くとは〈六一段〉
逃げた妻見る影もなくやつれ果て〈六二段〉
九十九髪昔男もほだされて〈六三段〉
狩の使──狩の使恋する女は斎宮〈六九段―一〉
狩の使──斎宮は忍び行けども夢うつつ〈六九段―二〉
狩の使──逢坂の関越えられぬ浅き縁〈六九段―三〉
斎垣など越えて行くのが恋の路〈七一段〉
世の中に絶えて桜のなかりせば〈八二段〉
いたわしや雪踏み分けて小野の里〈八三段〉
千歳にも生きてくれよと母想い〈八四段〉
月々に時を重ねて老いとなる〈八八段〉 ほか
解説
寡黙な本文とおしゃべりな行間──主題と変奏の物語
透き間から昔男の忍ぶ恋〈初段〉
春雨をながめて日がな想う女〈二段〉
ひじき藻に熱い思いを贈りやる〈三段〉
月と春去年も今年も変わらぬが〈四段〉
童の崩した築地は恋の路〈五段〉
芥河はかなき女は露と消え〈六段〉
うらやまし京恋しやかえる浪〈七段〉
友と見る浅間の山に立つ煙〈八段〉
東下り──東国の沢に淋しくかきつばた〈九段―一〉
東下り──道暗く夢にも宇津にも逢わぬ女〈九段―二〉
東下り──隅田河問えど答えぬ都鳥〈九段―三〉
みよし野でたのむの雁とめぐり逢い〈一〇段〉
武蔵野の野焼きの煙たえかねて〈一二段〉
恥ずかしや武蔵鐙を踏み違え〈一三段〉
くたかけと悪態ついて捨てられて〈一四段〉
忍ぶ道えびす心を見てしまい〈一五段〉
妻去りて尼の羽衣手に涙〈一六段〉
風速く天雲遠く去って行く〈一九段〉
便りには植えてくれるな忘れ草〈二一段〉
恋しさは千夜を一夜に八千夜にも〈二二段〉
筒井筒──筒井筒幼なじみに恋心〈二三段―一〉
筒井筒──筒井筒沖つ白波乗り越えて〈二三段―二〉
筒井筒──筒井筒高安の女遠くなり〈二三段―三〉
梓弓君に寄り添うわが心〈二四段〉
色好む女にじらされ通いつめ〈二五段〉
水の面映る我見て物思い〈二七段〉
あれほどに固い契りも水漏れし〈二八段〉
枯れ草葉呪えば生える忘れ草〈三一段〉
朝顔の浮気気にして下紐を〈三七段〉
若者の命かけたる恋心〈四〇段〉
紫と緑の草木野に満ちて〈四一段〉
色好む女と通わす情と文〈四二段〉
行く蛍雁に伝えよ秋の風〈四五段〉
妹よ決して結ぶな草枕〈四九段〉
男女ともはかない心あてにせず〈五〇段〉
密やかに恋した男はわれからか〈五七段〉
集まって騒ぐ女が鬼に見え〈五八段〉
なつかしき花橘は元の妻〈六〇段〉
筑紫まで好き者の噂届くとは〈六一段〉
逃げた妻見る影もなくやつれ果て〈六二段〉
九十九髪昔男もほだされて〈六三段〉
狩の使──狩の使恋する女は斎宮〈六九段―一〉
狩の使──斎宮は忍び行けども夢うつつ〈六九段―二〉
狩の使──逢坂の関越えられぬ浅き縁〈六九段―三〉
斎垣など越えて行くのが恋の路〈七一段〉
世の中に絶えて桜のなかりせば〈八二段〉
いたわしや雪踏み分けて小野の里〈八三段〉
千歳にも生きてくれよと母想い〈八四段〉
月々に時を重ねて老いとなる〈八八段〉 ほか
解説
寡黙な本文とおしゃべりな行間──主題と変奏の物語