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青春時代の「感動」こそが、その人の一生を決定するのではあるまいか。
青春は第二の誕生日である。青春時代の感動こそがその人の一生を決定するのであり、友情と恋愛に対峙する「沈黙」のなかで、「秘めごと」として自らの精神を育てなければならない――。人間と文明を問い続けた評論家・亀井勝一郎の鮮烈な人生観は、高度経済成長に飲み込まれていく戦後日本の青年に大きな影響を与え、いまだ色褪せることがない。独特のアフォリズムに満ち、生きることへの熱情に貫かれた名随筆。解説・池内紀著訳者プロフィール
目次
青春とははじめて秘密を持つ日
人生の目的とは何か──ある女性への手紙
おとなと青年
第二章 愛に生きる心
恋愛は失恋と別離を含む
愛と孤独
愛を生む怒り
人間愛を育てる集り
第三章 理想を求める心
現実の奴隷になってはならない
ユートピアを語ろう
軽信の時代と精神の健康──「常識ある狂人」から脱けだそう
第四章 モラルを求める心
モラルの探求
神聖と獣性のたたかい
自己の自由を守る精神
第五章 日本をみつめる心
島国の悲しさ
実験国家から理想国へ
第六章 明日に生きる心
新しいタイプへの期待
新しい時代は若い声から
若さに期待するもの
後記
注解
初出
解説 甦りの物語 池内 紀