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古代日本の伝承を管理し、語り継いだ者の謎を追う珠玉の論考。
いかにして日本民族に、悲哀の文学とも称すべきものが発生したか、そしてその管理者は誰であったか、更になぜこの管理者が自分の味った悲劇として語らねばならなかったか――処女作「悲劇文学の発生」をはじめ、語りと伝承者、悲劇文学の流通を論じる四篇を収録。『古事記』のなかに頻出する豪族和邇氏の存在に着目し、その謎と伝承との関わりを解き明かす。国文学者・角川源義の原点をさぐる、珠玉の論考集。解説・三浦佑之著訳者プロフィール
目次
和邇部の伝承──婚姻説話と誇張咄と
まぼろしの豪族和邇氏
日本海時代──海の古代史
解説 三浦佑之