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「ひまわり」に秘められた意味、そして絶筆の謎とは──?
ファン・ゴッホは、生きることの難しい人間だった。高い理想、激しい気性、有り余る情熱ゆえ、学校にも職場にも教会にもなじめず、やがて画家の道だけが残る。ハーグ派、印象派、浮世絵版画との出会いに導かれ、駆け抜けた37年の短い生涯。その心中には、孤高の理想を憧れの地「日本」に託しつづけた、ユートピアへの儚い希望があった。主要作品をオールカラーで辿り、残された手紙によって画家の人生を浮かび上がらせる決定版。著訳者プロフィール
目次
序 出生から画家になるまで
第一章 オランダ時代──愛に飢えた修業者
ハーグ派の画家との交流
捨てられた女
線の表現力
決別
真実の農民たち
色彩研究
自負の芽生え
父の死
朽ちていく教会
絵の中の文字
闇の中の光
第二章 パリ時代──豊穣なる混沌の一幕
印象主義
印象派から得たもの
浮世絵模写
「触媒」としての浮世絵
ユートピスト
南仏へ
第三章 アルル時代──夢への逃避行、「日本」色のユートピア
失敗作
架空の太陽
橋
種まく人、掘る人
向日性
象徴的意味、エンブレマータ
黄色い家
潜在的意味
カフェ・ド・ラ・ガール
居酒屋の闇の力
アルルの星空
想像上の日本人
レ・ミゼラブル
「耳切り事件」
傷跡、夢の終わり
《浮世絵のある自画像》再考
レプリカ
第四章 サン=レミ時代──迫りくる悪夢たち
星空
つくられた風景
オリーブ園のキリスト
模写・翻訳
成功の兆し
第五章 オーヴェール=シュル=オワーズ──切れた糸
「日本」との接触ふたたび
「出現」
「極度の孤独」
張りつめた糸が切れる時
おわりに
参考文献・凡例