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松本連隊の最後
松本連隊の最後
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松本連隊の最後

発売日
2022年05月09日
在庫有り
お届け予定日
翌日以降出荷
1,430
ISBNコード
9784040824062
レーベル
角川新書
商品形態
新書
サイズ
新書判
商品寸法(横/縦/束幅)
108 × 173 × 20.2 mm
総ページ数
456ページ
『あゝ野麦峠』著者が遺した、戦記ノンフィクションの一大傑作が甦る!
太平洋戦争末期、1944(昭和19)年2月に松本百五十連隊はトラック島に上陸した。
本書は、松本を出営し、トラック島まで辛くもたどりつき、そこで敗戦をむかえる翌45年8月までの戦記である。

太平洋における日本海軍の最大の根拠地トラック島防衛のため派遣されるも、連隊の主力はトラック島到着直前の二月十七日、
米機動部隊のトラック島攻撃に遭遇し、その乗船を撃沈されて多数の人員と装備の全部を失うこととなる。
その後、戦線が硫黄島などに進み、トラック島は補給の途絶したまま、とり残された。
身一つで救助されてトラック島に到着した連隊主力は、その後の一年半を、空襲にさらされながら、陣地構築と飢餓との戦いを生き抜くことになる。

生存者に徹底取材し、克明にして膨大なメモからまとめられた無名兵士たちの哀史。末端から見た戦争の実態!

「この作品は「戦争という巨大な人間の奔流を、特定の個人の小さな私見でなく、多くの生き残り兵を取材して、その生きざまに取組んでみよう」としたものです。
それがどれくらいかなえられたかはともかくとして、今にして思うとこの時の体験が次の作品『あゝ野麦峠』の手法を身につける為に、決定的だったということです」
(山本茂実)

■ 本気で検討されたイカダ作戦
■ 玉音放送より記憶に残った「てんぷら」
■金庫を捨てて乾パンを生かした上等兵
■漂流から奇跡的に生還した兵士
■浮遊物にまじっていた生首
■ 最大の軍事基地と言われたトラックには丸太砲(高射砲に偽装した丸太)が押し立てられていた

※本書は、1978年に小社より刊行された作品を復刊したものです。故藤原彰氏(1932-2003)の解説も再掲しました。底本には1979年の5刷を使用しました。

目次

1 固い軍靴の響きを残して 
2 軍靴の遠ざかった橋の上を青白い流れ星二つ 
3 アルプス連山よさようなら 
4 霧氷の枯野に立つ親子 
5 焦燥する広島の船舶司令部 
6 すみやかに宇品に集結せよ 
7 得意絶頂の大東亜国民会議 
8 木曽路を下る軍用列車 
9 めっきり船の少なくなった宇品港 
10 下駄ばき兵もいた宇品港
11 飢えた人々を素通りした米の山 
12 船出の乾杯は冷酒にスルメ 
13 鹿島立つ秘蔵の精鋭部隊 
14 夕日に赤い祖国の山々 
15 暁天丸の連隊本部 
16 蚕棚の住人たち 
17 瀬戸内海を行く黒い船団 
18 思い出す悪夢の一夜 
19 わずかな空間さえなかった妻との別れ 
20 にわかに船首を東方へ 
21 ひそかに紀淡海峡をぬけて 
22 山国の兵にとってこわいものは船酔だけ 
23 突如全員配置につけ! 
24 爆雷投下、船団を包む火柱 
25 軍旗駆逐艦に移乗、陸海の対決 
26 険悪化した直接談判 
27 連隊長だけ安全の船か! 
28 軍旗暁天丸に別れを告げて 
29 暗夜にひそかに出航していく黒い船団 
30 十日後の運命知らず 
31 黙々と南下する九本の航跡 
32 航空撃滅戦ははてしなく続く
33 ああラバウル航空隊 
34 濠州に休養をとった米海兵隊 
35 飢えた兵とビフテキ海兵隊 
36 ついに姿を現わした五十せ機動部隊 
37 戦気みなぎるトラック基地 
38 先遣隊トラック島上陸 
39 まのあたりに見た連合艦隊 
40 トラック基地の戦艦武蔵 
41 俄然勇み立つ旗艦〈武蔵〉 
42 輝き増した南十字星 
43 手ぐすねひいて待っていた 
44 上陸近し零戦も出迎え 
45 不吉な船釣りの大漁 
46 奇襲さ空をおおうグラマン 
47 突如暗夜に巨大な火柱 
48 一瞬にして変わった地獄絵図 
49 阿鼻叫喚 
50 生か死か人間最後のあがき 
51 負傷者を筏にしばりつけろ
52 船体くの字に折れて海沈 
53 天皇陛下に戴いた兵器の重み 
54 漂流五時間夕闇迫る 
55 兵は知らず船団西へ 
56 突如空襲された辰羽丸 
57 二大隊本部全滅 
58 犬飼兵長血だるまの報告 
59 あと五分! 死体と負傷者で埋った甲板上 
60 退船命令を待たず飛込んだ浜分隊 
61 地獄から生き還った男たち 
62 最後まで人を喜ばせて消えた伊那男 
63 赤い血の海に聞こえてくる地獄の声 
64 金庫を捨てて乾パンを生かした青木上等兵 
ほか