「自傷的自己愛」の精神分析

「自傷的自己愛」の精神分析

著者: 斎藤 環
1,012円(税込)
発売日2022年12月09日

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  • ISBN コード : 9784040824307
  • サイズ : 新書判 総ページ数: 264ページ
  • 商品寸法(横/縦/束幅): 108 × 173 × 12.0 mm
  • ※総ページ数、商品寸法は実際と異なる場合があります

「自分が嫌い」「自分のことを考えるのに忙しい」人が増えている。

「自分には生きている価値がない」「ブサイクだから異性にモテない」。

極端な言葉で、自分を傷つける人が増えている。
「自分が嫌い」をこじらせてしまった人たちの、自傷行為のように見える言動。

その深層心理にひきこもり専門医である精神科医が迫る。
誰にでも何歳からでも起こり、一度おちいると出られない、徹底的な自己否定。
「ダメな自分」の思い込みを見つめ直し、健全な自己愛を取り戻す方法を探る。

著訳者プロフィール

●斎藤 環:1961年生まれ。岩手県出身。筑波大学医学研究科博士課程修了。医学博士。爽風会佐々木病院・診療部長を経て、筑波大学社会精神保険学教授。専門は思春期・青年期の精神病理学、「ひきこもり」問題の治療・支援ならびに啓蒙。漫画・映画・サブカルチャー全般に通じ、新書から本格的な文芸・美術評論まで幅広く執筆。著書に『社会的ひきこもり』『母は娘の人生を支配する』『承認をめぐる病』『世界が土曜の夜の夢なら』(角川財団学芸賞)『オープンダイアローグとは何か』『「社会的うつ病」の治し方』ほか多数。

目次

はじめに――インセルたちの犯罪、非モテと憎悪、自己否定と絶望の加速、反社会から非社会へ、「無敵の人」になる、「自己責任」という規範が人を追い詰める、ひきこもりの自意識、人がひきこもるきっかけ、ほめられても自分の価値を感じられない、成功しても自己肯定感が得られない、自傷的自己愛の発見、自己中心的な行動の裏に何があるのか

第一章 「自己愛」は悪いものか――精神医学界で否定されてきた自己愛、トランプ元米大統領は自己愛性パーソナリティ障害か、精神分析における「自己愛」、ラカンのナルシシズム、「小さな違いの自己愛」、「自分が大嫌い」の精神分析、コフートの自己愛理論、「自己」と「対象」の望ましい関係、適度の欲求不満の大切さ、家族が与えられない性愛のスキル、家族以外の対人関係が大事、生きていくうえでかかせない自己愛、プライドは高いが自信はない、自己否定は承認を求めるアピール、誰もがおちいる可能性のある「自己愛の捻れ」、自傷的自己愛者と家族、「自分はダメだ」と考えがちな人たち

第二章 自分探しから「いいね」探しへ――「自分が嫌い」と自己嫌悪は違う、戦後精神史はどう移り変わったか、八十年代後期 境界例の時代、心理学の一大ブーム、九十年代後期 解離の時代、承認の不安の前景化、就労動機は承認のため、「自分に変化なんか起きるわけがない」、自分を承認することが苦手、集合的承認の落し穴、つながり依存、コミュ力が低いとカースト下位に転落する社会、キャラ化とスクールカースト、キャラとしての承認、解離の時代にキャラ化が進む、「コミュニケーションと承認」が幸福の条件、「キャラ化」で救われる七割 割りを食う三割、自分のキャラがわからない、ネガティブなキャラはステレオタイプにまとめられがち、「新型うつ」の誕生、「発達障害」のキャラ化、承認欲求から陰謀論へ

第三章 過去からの呪いを解く――「ひきこもり」は誰にでも起きうる、男性と女性の「自傷的自己愛」の違い、母は娘を身体から支配する、身体性とジェンダーバイアス、「否定」と「愚痴」という支配、「母殺し」の困難、親と子の呪縛を解くために、問題に気付き、相対化する、母娘問題の黒幕は父親

第四章 健全な自己愛を育むために――「自己肯定感」は続かない、自己肯定感がなくても、頑張る人たち、不安を感じない作家は極めて稀、幸福度と自己肯定感の相関関係、カルトの洗脳手法、「優生思想」、「我執」をどうする、「健康的な自己愛」とはどういうものか、私自身の自己愛、自分自身でありたい、自分の尊厳は自分で守る、自傷性のやわらげ方、オープンダイアローグ
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