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八雲が世界に紹介した驚異の書「KWAIDAN」の真の姿が、明らかに!
「聞いていただこう、ホーイチ・ジ・イヤーレスの物語を──」円城塔作家・円城塔が、小泉八雲ことラフカディオ・ハーンの名著「KWAIDAN」を直訳!
ダン・ノ・ウラの戦いの物語を──最も悲哀の深いくだりであるから(「ミミ・ナシ・ホーイチの物語」)
オ・ジョチューは振り返り、そうして袖を下ろすと手で顔を撫でてみせ──(「ムジナ」)
スライド式のスクリーンを開け、そうして彼は見たのだったが、ランタンの光に照らし出された五人の寝姿には──首がなかった!(「ロクロ・クビ」)
日本という未知の国の物語を、英語読者に向けて語るハーンの流儀を再現すると、日本の言葉はただのアルファベットの連なりで得体のしれない音となり、読み手の前に呪文のように放り出され、全てが説明されるわけでもない。当然これは、英語読者にとって「読みやすい物語」ではなく「驚異の書」として受け止められたことだろう。(「訳者あとがき」)
1904年に英・米国で発表された「KWAIDAN」には、遥かかなたの異国「JAPAN」の物語が描かれた。
当時、本書を手にした読者は何を感じたのだろうか。
円城塔が白日の下に晒す、小泉八雲ことラフカディオ・ハーンの名著「KWAIDAN」の真の姿!
著訳者プロフィール
●円城 塔:1972年北海道生れ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。2007年「オブ・ザ・ベースボール」で文學界新人賞受賞。2010年『烏有此譚』で野間文芸新人賞、2011年早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞、2012年『道化師の蝶』で芥川賞、『屍者の帝国』(伊藤計劃との共著)で日本SF大賞特別賞、2017年短篇「文字渦」で川端康成文学賞、2018年『文字渦』で日本SF大賞を受賞。著書に『Self-Reference ENGINE』『プロローグ』『エピローグ』などがある。
目次
怪談
ミミ・ナシ・ホーイチの物語
オシドリ
オ・テイの物語
ウバザクラ
かけひき
鏡と鐘と
ジキニンキ
ムジナ
ロクロ・クビ
葬られた秘密
ユキ・オンナ
アオヤギの物語
ジウ・ロク・ザクラ
アキノスケの夢
リキ・バカ
ヒ・マワリ
ホーライ
虫の研究
蝶
蚊
蟻
解題
訳者あとがき