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『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』暁佳奈が贈る四季の物語、秋の章上。
「汝の名は『秋』、夏に続く者」――かつて、神々たる四季は人間の一部に自らの力を与えた。春夏秋冬の季節を顕現する者は“四季の代行者”と呼ばれ、権能を得た者達は、人の身でありながら季節そのもの、つまり現人神となった。
時は移り変わり黎明二十一年仲春。
大和国の秋の代行者、祝月撫子は春を満喫していた。傍らに控えるのは護衛犬の花桐、侍女頭の真葛美夜日、若き側近の白萩今宵。そして撫子の初恋の人であり、代行者護衛官でもある阿左美竜胆の姿があった。彼らの和やかな日々は、ある外交問題によって突如霧散していく。
彼の国の名は橋国。海を挟み、大和から遠く離れた場所にある異郷の地。
陰謀蠢く橋国からの要求は、秋陣営をかつてない窮地へと追い込んでいく……。
著訳者プロフィール
●スオウ:集英社、講談社刊行の小説単行本装画をはじめ、MF文庫Jでのイラストを手がける。ボカロ関連イラストを収録した画集「La Lumiere」刊行。