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学力神話の解体 ガラパゴス化する中学受験・大学受験での「実力」の育て方

発売日
2026年02月26日
予約受付中
お届け予定日
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1,815
ISBNコード
9784041156995
商品形態
一般書
サイズ
四六判
商品寸法(横/縦)
128 × 188 mm
総ページ数
224ページ
ヒトの能力を一発勝負の入試で測れるのか? 今必要な賢さ、本当の学びとは
その勉強で養われる「頭のよさ」とは?

日本の受験は世界と比して驚くほど独自の進化を遂げている。
偏差値というたった一つの物差しが「公平性」を担保し、
子どもたちは最短で正解に至るパターン学習が求められる。
そうして身についた学力は、複雑化した社会を生き抜く礎となるのだろうか。
教育に携わり、海外の事情にも明るい著者二人が、
首都圏で過熱の一途をたどる中学受験や、
試験問題を解くことが目的化している大学受験に警鐘を鳴らす。
複雑で正解のない時代、子どもの学力をどう育むべきかを考察する。

目次

第1部 世界のレンズで中学受験を見る 
――AIの時代こそ遊びで非認知能力を  竹内薫
1 なぜ私は中学受験を批判するのか
受験勉強への疑問
遊びの時間を奪われる子どもたち
中学受験で身につくスキルはAI時代に逆行している
中学受験にまつわるパラドックス

2 ガラパゴス化している日本の中学受験
都市部における中学受験の過熱
公立中学と中高一貫校で大きな違いはあるのか
20泊の勉強合宿
親の能力を試される?
持って生まれた才能とは
難関校に進学してから
受験のシステムと指示待ち人間
受験塾が儲けなくてもいい仕組み

3 変わらない、変われない日本の教育システム
ほとんど日本人しか知らない偏差値
教育改革は失敗が続いてきた
カナダの大学受験にはペーパーテストがない
不登校が増えるのはなぜか
英語は本当に必要なのか

4 これからの教育
世界有数の大学は偏差値が高い?
海外の良い大学にはどうやって入学するのか
「良い大学」へ行くことは幸せに結びつくのか
東大の出身高校の偏り
システムは簡単に変わらないから


第2部 現場から見た受験戦争
――本当は何が「競われている」のか? 加藤文元

1 「頭のよさ」とは?
記述式問題の「正解」とは何か?
大学だけの問題ではない
そもそも日本の大学入試は何を目指しているのか?
スキルより「頭のよさ」

2 入試の現場で起きていること
採点者は間違えることができない
採点基準は単純でなければならない
採点基準は単純過ぎてはいけない
採点は例外処理の嵐
採点はある程度機械的にならざるを得ない
問題のフレキシビリティ
採点のロバスト性
「表現」を採点してはいけない
書いてないときはどうする?
「お咎めなし」とするしかない
「7」しか書いてなかったら?
ロバスト化の避け難い代償

3 「中身が無い」という大問題
一問も解けなくても合格?
「はっきり書かない」という受験対策?
単に「解答欄が広い」だけ?
ブライトネス神話を超えて
日本国民全員が学ぶべきですか?
学びの形の多様化は時代の趨勢
特定の分野での高い能力と強い意欲
教育とは誰がするもの?


第3部 これからの時代の学力
一直線でなかったからこそ
「パターン学習」に膨大な時間が費やされている
中高一貫校での大学受験対策
偏差値というたった一つの物差しと公平性の神話
日本の先生たち
公平性から多様性への価値観の転換