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中世尼僧 愛の果てに 『とはずがたり』の世界

著者: 日下 力
発売日
2012年02月23日
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1,870
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ISBNコード
9784047035010
レーベル
角川選書
商品形態
一般書
サイズ
四六判
商品寸法(横/縦/束幅)
127 × 190 × 14.0 mm
総ページ数
224ページ
作者の二条が語る波乱の生涯とは!
『とはずがたり』は、後深草院の御所で育った作者の二条が、自らの愛の遍歴と、尼になったのち、東国・西国を旅した様子を描いた自叙伝。作者の圧倒的な表現力を分析し、『とはずがたり』執筆の真相に迫る。

〈目次〉
   はじめに
   『とはずがたり』とは

  序  自伝を読む行為の原点──誤解の始まり

第一章 執筆の動機──今、ここにありて
   1 勅撰集入集への願望─自家の誉れ
   2 写経成就の宿題─貧しき身
   3 遊義門院への心情─執筆の時点

第二章 表現への執着──見ぬことも書く才能
   1 過去を語る─十四歳の春、十八歳の春、そして二十代
   2 「言ふかひなき」頃のこと─わが袖に響いた鐘の音
   3 夢を裏切られた亡き父─「何とらんずらむは」
   4 優しかった後深草院─「われのみこそ」

第三章 制御できぬ心の自覚──過去への内省
   1 院と雪と曙との間で─裂ける思い
   2 「すすましく」なる気持ち─有明の月
   3 共有した罪業─「通ふ心」と埋まらぬ溝
   4 「わが心」とは─「四十路にだに満ち侍らねば」

第四章 異性への懐疑、あるいは怒り──聖と俗の交錯
   1 院の女性猟─「女官風情」の奉公
   2 不可解な言動─「死ぬばかり悲しき」
   3 思慮深さとひがみ心─「いかなる方にはおぼしめしなすに」
   4 御所追放─気まぐれな愛情

第五章 旅修行を記す意味──心の安寧を求めて
   1 千日参籠と桜の奇瑞─「心の末は空しからじ」
   2 忘れられぬ院─「思ひ染めまゐらせし心わろさ」
   3 旅への衝動─「心の闇に誘はれ出でて」
   4 愛を離れて─「のちの形見とまでは」

『とはずがたり』関連年表
参考図書
あとがき